マイクロソフトって、セールスは上手でもマーケティングは空っぽ。
(2016年5月26日)

カテゴリ:マーケティング
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昨日の朝から、家にあるパソコンでも「ウィンドウズ10 」へのアップグレード騒動が起きている。

3台あるパソコンのうち、8.1のを使用していた僕のラップトップは結構前にアップグレードした。十分快適なので、自宅にある残りの2台も10にしようかと思ったのだが、それは難しい。

2つとも、メーカーによれば「動作確認対象外」の機種だ。というわけで、アップグレードを見送ろうと思ったのが、例によってわかりにくいガイダンスのために家族が使っているマシンがアップグレードを始めかけて、さっき収拾した。

もう、時間もムダだしストレスだし。日本のメディアでも「わかりにくい」と記事になっていたが、BBC配信でも「汚いトリック(nasty trick)」と書かれていた

そして、つくづく思うのだけどマイクロソフトという会社はセールスは上手でも、マーケティングは空っぽだ。

マーケティングを「売る仕組み」と定義すれば、このアップグレードだってマーケティングだろう。

しかし、それは表面的なことだ。僕が考えるマーケティングとセールスの違いはもっと単純だ。

セールスは収益という数字を上げることが目標だ。一方で、マーケティングは「顧客を中心に設計された仕組み」であって、その結果収益は後からついてくる。コトラーやそこに引用されるドラッカーの言葉を引くまでもない。それは、もう常識のはずだと思う。

「動作確認対象外」の機種が、勝手にアップグレードされそうになって、顧客の時間を奪うことはマーケティングじゃないでしょ。

別に、新しいOSを毛嫌いしているわけじゃない。さっきも書いたように、機種の問題なのだ。

各社のウェブサイトを見れば、対応してない機種については「ダウンロードしないでください」と明記されている。それに対応機種だとしてもメーカーにもよっては、制限事項の関係で「自動アップグレードはしないでください」としているところもある。

家では、たかだが20分くらいの時間をムダにしたくらいで済んだけれど、その意志がないのにアップグレードになって、損失を伴うトラブルが起きたらどうなるんだろう。

マイクロソフトがするべきことは単純で「このマシンはアップグレードしません」という選択肢を明記することじゃないのかな。

顧客の満足度が低くても、収益を上げる会社はけっこうたくさんある。それが方針ならそうすればいいと思うけれど、「マーケティングやってます」とは言わないでほしいよね。