本日から、日経ビジネスオンラインで執筆を始めることになった。久々にキャリアの話だ。
キャリアに関する単行本は、20代向けのものが殆どだった。今度は、ちょっと違う。
という連載タイトルだ。
ミドルがどこを指すかは曖昧で、編集の方ともなんとなくで進めていたのだが、1回目は「いよいよ50代 自分のキャリアをどう見切る」という見出しでスタートした。
これでわかったのだが、どうやらメインターゲットは40代半ば以降の方ということだ。なんか後付けで申し訳ないが、そんな感じで進めて行こうと思う。
僕は40歳で会社を辞めている。その後はフリーなので、ある意味もっとも「会社員らしいシーン」というのを知らないで50代になってしまった。「会社員らしいシーン」というのは、なんというか『島耕作』に出て来そうな、ちょっとドロドロしてウネウネして、それでいて「すべて呑み込んだ」ような世界である。
もう、現実を知らないので妄想が進んで申し訳ない。
ただし、一つだけ言えることがあって、人はいつまでも第一線でいられるわけではない。もちろん、執行役員や取締役になれば、責任も重くなるし、人生を捧げることにもなる。ただし、それでもいつかは引退がある。
ただ、それはごく一部の人であって、多くの人はもっと前の段階で自分のキャリアを見切ったうえで、人生の選択をする必要があると思う。
だとすると、40代の半ばになったら、「自分なりのこれから」を考えるなくてはいけないのではないか?
定年が65歳になって、会社で働く時間は長くなるかもしれない。ただし、世代交代のペースは確実に上がっている。選抜は速くなる一方で、権限は少数者に集中する傾向がある。たとえばM&Aの意思決定などを思い起こせばよくわかるだろう。
企業は生き残りを賭けて、相当のスピードで走り始めた。こうなると、「現場」にいる多くの人は自分で居場所を探していくしかない。
若いうちであれば、そのスピードに乗って行くのも選択肢だろう。ただし、一定の年齢になったら、一度立ち止まって考えたほうがいいように思うのだ。
ところが、この年代を対象にしたキャリア論は意外と少ない。いろいろ調べたのだが「老後への備え」の話に一足飛びに行ってしまったりする。
そんな思いから、こんな連載を始めてみることになった。結論の前に、まず「考える」機会を提供できるような内容にしていきたいと思っている。