民進党、って一発変換されるのか。で、政調会長に山尾志桜里が決まったらしい。こちらの名前も、ちゃんと辞書に入ってた。まあ、それはともかくちょっと気になることがある。
彼女は検事出身で、つまり法曹資格を持っている。で、最近の政治家には結構多い。現党首や経験者だと、谷垣禎一、福島瑞穂、山口那津男、それに橋下徹がそうだ。幹部クラスだと、枝野幸雄、高村正彦、稲田朋美など。ちなみに、この間お騒がせの丸山和也も弁護士だし、引退した元官房長官の仙谷由人もそうだった。
こうしてみると、党派については右から左までいろいろだけど、なんというか似たような共通点があるように感じる。
アタマのキレや理解力は優れているのかもしれないし、そう感じることもあるのだけれど、政治家として何かが足りない気がする。うまく表現できないのだが、あと一歩の説得力とか、ダメ押しのようなものがどこか淡泊だ。
谷垣氏は総裁経験者だが総理にはなれず、橋下氏は住民投票で惜敗して政治家を辞めた。福島氏も闘志のようでいながら、党の退潮を何が何でも食い止めるという泥臭さは感じられない。
法律家は出来上がった法の下で、それを正しく取り扱うことが仕事である。一方で、政治家は法そのものをつくる過程に携わる。つまり、ある意味では「なんでもあり」という一面がある。
とはいえ、なんでもありだと滅茶苦茶になるので憲法という枠組みがある。ただし、つくられる法律が違憲か合憲かという議論が定まらなくても、国会で採決されれば法となるわけであって、その辺りは昨夏の安全保障法案の経緯が語るところだ。
こうなってくると、法律家にとっては、いまの政権は相当苛立つとは思う。ところが、苛立ったところで、いまの政権の中枢は、これまた対照的に根っからの政治家が揃っているのだ。
民進党は、トップが官僚で、幹事長・政調会長が法曹ということになる。まだ未定だが代表代行候補の江田氏もトップと同じ旧通産官僚だ。
う~む、なんだか理が勝っている雰囲気が、ますます強まる気がする。政治家はそこに至るまでのキャリアがすべてでないとはいえ、もうちょっと柔らかい感じの人が加わった方がチームバランスがいいと思うのだが。
法は大切だが、政治家が法の話ばかりして、専門化すればするほど多くの人はついていけなくなって、関心を低下させるという面もある。勝負強い政治家とは、その辺りを見抜いている。
というわけで、党は名前を変えたが、実態はどうなるのか。とりえあず、文春と新潮のチームはもう走り出している筈だけど。