日曜の夕方、家で食事する前に隣の駅まで1人で散歩して、ふらりと知らない店に入った。
カウンターでビールを飲みながら、新じゃがのポテトサラダをもらう。長ネギかと思ったら「高菜」だという。新玉ねぎと鶏胸肉のマリネで、山形の白ワインと続けて、そのまま居座りたいくらいだったのだが、食事の準備も進んでいるので帰宅することにした。
シェフの腕も並べているワインのセンスもいいなと思ったのだが、その店にあった本が、この「図解ワイン一年生」だった。
僕は、なぜか人からワイン通と思われることが多いのだが、あまりよくわかってない。理由はわからないが、よく行く店でも勝手にそう思われてるので、とにかく何を言われても頷くことにしているのだが。
というわけで、ワインの本は一冊も持ってないし、手にとってもやめてしまっていたのだけれど、この本はすぐに買ってしまった。なんか読み物として楽しいのである。
幾つか特徴があるけど、まずはブドウの品種をキャラクター化していること。まあ、「優等生」「やんちゃ」くらいの比喩はあるが、この本は徹底している。そして、ちゃんと絵になっているので、ところどころにコミックでショートストーリーが挟み込まれる。
カベルネ・ソーヴィニヨンが優等生の男子で、シャルドネが人懐こいみんなのアイドル、という辺りはまあありそうだが、ミュスカデが「いつも服が汚れているさわやかドジ男」だったり、ジンファンデルが「ダイナミックで気のいいアネゴ肌」というところまで徹底しているのがすごい。
というか、この手のキャラがダメだったら、もうこの本には馴染めないと思うが、僕はスッとわかった。優等生のカベルネが米国にわたって、マッチョになったりするのもおかしい。まあ、マイナーな品種になるとちょっと大変そうにも見えるけれど。 >> 想像以上の入門書「ワイン一年生」の続きを読む