少し前のウォール・ストリート・ジャーナルが、米国の若い大卒者の収入が急増という記事を出していた。ニューヨーク地区連銀のレポートである。
景気後退時は「大学を卒業してもコーヒーショップで働くしかない」と記事にあるように、そのイメージが変化して、学位を持たない労働者との格差が拡大したということだ。
この記事で興味深いのは専攻分野別の収入に関する記事だ。上位10位のうち8つは技術系で、化学エンジニアが年収7万ドル(中央値)でトップだという。
エンジニア優位だというのは検討がつくが、その逆はどうか。記事で「収入が少ない専攻分野の一部は失業率も最も高かった」ということで、挙げられているのが人類学、マスメディア、環境研究の3分野だ。
元のデータを見ても、この3つは失業率も高いし、収入も30,000ドルくらいだ。人類学の働き口は少なそうだし、環境研究はまだこれからの分野なのだろうが、マスメディア専攻というのは時代から逸れているのだろうか。これは「マスメディア従事者」ではなく、「マスメディア専攻」の収入とは言え、なんだか象徴的だ。一方でジャーナリズム専攻の失業率は低いので、この辺りは実際にどんな職種についているかまで見ていかないと何とも言えない。
(出典のデータはこちらのページ)
これを見て思ったのだが、これからは日本でも「何を学ぶか」が本当に大切になってくると思う。 >> 米国の学部格差~文系も「エンジニア」になるべきなのか?の続きを読む