【旅の話】身延線を北上する。
(2016年1月16日)

カテゴリ:遊んでみた

鏡開きの日が誕生日なのだmn1が、別にわざわざ行きたい店もあるわけではないので「自分の行きたいところに行く」ということにしている。昨年は、八甲田から花巻という雪中行だったが、今年はもう少し近場にしようといろいろ考えた。

そうなると、大体行ったところが多いのだが、ふと何年か前の誕生日を思い出した。東京から内房線で館山に行き、外房線で帰ってくるということをしたのだ。日帰りだったのだが、誕生日は「自分のしたいことに妻がつき合う日」のようなものになっているのだ。

で、一つ空白エリアがある。身延線走破をしていない。これは日帰りだと大変だし、沿線には温泉もありそうなので一泊で行くことにした。

身延線は静岡の富士と、山梨の甲府を結ぶ路線だ。甲州道と東海道を結ぶルートはあってもいいとは思うが、いざあったとしても、そうそう往還があるわけではない。だからこそ旅にはうってつけなのだ。

ルートとしては、一日目に富士から北上して、身延駅で下車。ここからバスで1時間半ほど乗って終点の温泉を目指す。

翌日は、同じバスで戻り甲府へいって、中央本線で帰京することにした。

で、初日だがいきなり軟弱にも新幹線で三島へ。ここで、駅弁を買って在来線に乗り替える。

三島や沼津の駅弁は、桃中軒という店がやっているのだが、地の利を生かした名物が多い。昼飯を買って、富士から身延線に乗る。mn2

「ワイドビューふじがわ」という、いまでは数少ない在来線特急だが、3両編成だし風情としては「急行」という感じだ。

身延線は南から北に延びているのだが、富士駅を出た直後は結構くねくねと曲がる。右側の車窓に見えていた富士山が消えて、気がつくと進行方向に見えたりもする。

三島で買った弁当は、「鯛めし」と「港あじ鮨」を分けながら食べる。鯛飯はやや甘めの味わいで、わさび漬けがアクセントになる。驚いたのは鯵鮨には生ワサビが入っていて、これをプラスチックmn3の卸でガリガリとおろす。肉厚のいい鯵を使っていて、内側から沁みだしてくる旨味と酢加減が絶妙な加減になっている。

特急と行っても、速度はそんなに早いわけではない。停車は2駅だが、43キロあまりを1時間ほどで走るのだ。

左側には富士川が広がり、眺めているうちに身延へ着く。

目的地は奈良田温泉というところなのだが、バスは1日に4本。どんなところかというと、「日本で最も人口が少ない町!」ということで、1時間半の間に、乗ってきた客は私たちの他には2人。途中で降りたので、殆ど貸切のままで終点についた。

東京駅から、5時間20分ほど。「のぞみ」に乗っていれば、とうに博多に着いていた頃である。mn4