駅伝優勝報告会~青学の原監督が語る「夢と誇り」。
(2016年1月7日)

カテゴリ:キャリアのことも
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IMG_1266青山学院の講義は毎週火曜日なのだが、今週締め切りの後期試験を事務局に未提出だったので昼過ぎに立ち寄った。ちょうど昼休みでキャンパスがごった返していたんだけど、それにしても賑やかだなと思ったら、中庭ガウチャー記念礼拝堂前で箱根駅伝の優勝報告会をやっていた。

ちょうど原晋監督が挨拶をしていた。

「昨年は“わくわく大作戦”ということでしたが、今年はハッピーになりましたでしょうか!?」という感じで軽やかにスタート。レースを振り返って話を続けた。そして、最後に、「皆様に一言」と話しかけた。

「夢はかないます。皆さんも自分の目標を信じて、これからの大学生活、そして卒業後も青山学院の卒業生として誇りをもって日々精進して頑張ってください」

とくに飾った言葉ではないけれど、なんだかスッと心に入ってきた。

「夢はかなう」という言葉は、僕は安易に若い人には言わない。それは、運次第であるし、かなわないことも多い。もちろん、結果として夢をかなえて欲しいとは思うが、安易に煽ってカン違いさせる人が多いこともあって「醒ましてあげる」ことも必要だからだ。

タモリが「夢を持つ」ことに否定的に話したことが話題になったが、それも煽りへの風潮に対して、潜在的疑問があったから受け入れる人も多かったのだろう。

それでも、原監督の言葉を聞くと、素直に「そうだなよな」と感じる。それは、夢を持ちながらも厚い壁に阻まれて、でも結果を出した人ならではの説得力がある。

夢という漠然とした未来の像と、かけ離れた現実の間にいかに架け橋をこしらえて導いてあげるか。それが指導する大人の仕事だ。その架け橋を作ることに身を削る覚悟がある人なら「夢を持て」とも「夢はかなう」と言ってもいいし、また受け入れられるだろう。

逆にいえば、その架け橋などには興味を持たない大人が、「夢」を語ったらどうなるんだろう。夢は内発的なものだし、外からけしかけられて無理やり作らされた未来は悪夢だと思う。

夢は彼方にある。だからこそ、1人で歩いていくのは難しい。願ってかなうものではなく。考え抜いて、試行錯誤をして、気づいたら夢は傍らにある。

それが原監督のメッセージだったのだろう。だからこそ「誇りを胸に」と学生に語りかけたんだと思う。大学は集って学ぶ場なのだから、自分が走ったわけじゃなくてもこういう体験は貴重だ。

「そういえば卒業の年が駅伝連覇だったよな」とか「入って初めての正月に初優勝だったな」という記憶は、その時の学生にとって一生の宝になる。

 

a dream come true. 優勝おめでとう。