鏡開きの日が誕生日なのだが、別にわざわざ行きたい店もあるわけではないので「自分の行きたいところに行く」ということにしている。昨年は、八甲田から花巻という雪中行だったが、今年はもう少し近場にしようといろいろ考えた。
そうなると、大体行ったところが多いのだが、ふと何年か前の誕生日を思い出した。東京から内房線で館山に行き、外房線で帰ってくるということをしたのだ。日帰りだったのだが、誕生日は「自分のしたいことに妻がつき合う日」のようなものになっているのだ。
で、一つ空白エリアがある。身延線走破をしていない。これは日帰りだと大変だし、沿線には温泉もありそうなので一泊で行くことにした。
身延線は静岡の富士と、山梨の甲府を結ぶ路線だ。甲州道と東海道を結ぶルートはあってもいいとは思うが、いざあったとしても、そうそう往還があるわけではない。だからこそ旅にはうってつけなのだ。
ルートとしては、一日目に富士から北上して、身延駅で下車。ここからバスで1時間半ほど乗って終点の温泉を目指す。
翌日は、同じバスで戻り甲府へいって、中央本線で帰京することにした。
で、初日だがいきなり軟弱にも新幹線で三島へ。ここで、駅弁を買って在来線に乗り替える。 >> 【旅の話】身延線を北上する。の続きを読む
昨年12月にこちらでも紹介した「リアル行動ターゲティング」を共著で上梓された横山隆治氏が、ほぼ同時期に出版したのがこちらの一冊だ。知己の著作はその旨を明らかにした上で書くことにしているが、前作と同様にとても重要な本だと思っている。
前作は「リアル行動」という言葉を関してはいるが、「最新ターゲティング実践」のような側面がある、そして、この本は「初の実践的メディアプランニング」の本と言ってもいいだろう。
マーケティングの書籍は多いし、実践的なケースも書かれるようになった。商品やブランド開発、あるいはコンテンツ創造などのケーススタディは多い。アカデミックなものから、読み物まで幅広く存在している。
その一方で、メディアプランニングについて書かれた書籍は、どことなく雲をつかむ感じのものが多い。ちょっと古いが「メディアミックス」という説明があったとする。それぞれのメディアの特徴はあっても、ミックスの仕方はわからない。果物の成分表は明らかだけど、ミックスジュースのつくり方は秘伝のレシピのようになってしまう。
これは、メディアビジネスがアタマだけではどうしようもない、という側面があるからだ。大学生にレポートを書いてもらえばわかるのだが、「広告の企画」というのは人によってはプロ並みのモノもできる。コピーやデザインは、そういうものだ。
でもメディアプランニングは、そういうわけにいかない。すごいアイデアがあっても実現のためには、おカネが関係してくるし、カネがあっても実現できるとは限らないからだ。 >> メディアの効率化は社会のためになる。『新世代デジタルマーケティング』の続きを読む
コメンテーターが並んでアレコレ言うようなテレビを見ることは少ないのだが、ネットを見ていて入ってくるテレビの話は、そのような類の番組からの話題が多い。
短時間で気の利いたことを言おうとするコメンテーターの発言は、どうしてもネタになりやすく、ちょっとした弾みに炎上しやすいんだろう。
それにしても、最近目に付くのは古市憲寿氏の話だ。「ハーフは劣化が早い」とか、「手書きの手紙で仕事依頼する人は~」みたいなのを見ていると、テレビ局のために身を挺して話題を提供しているのだろうか、と思ってしまう。(もっとも手書きの仕事依頼は僕も引くと思うし、これが若い会社員のつぶやきならあると思うけど)
「大して中身がなくても、一定の人に反感を買う」発言こそが炎上技の要だ。それは、プロレスにおけるヒールの役作りとも同じこと。
しかし、著作を読むとそれなりに面白いところもあるし、一定の教養がありそうな人が、どうしてこうまでしてテレビに出ては、自分に放火しているのか。その辺のことは本当に不思議だ。
もっとも、テレビのコメンテーターたちの役目は、「盆踊り」のようなものだと思う。みんなで、一定のリズムで踊りながら、適度に茶々を入れる。あまり単調だとつまらないから、ちょっとボケ役もいる。東京音頭が鳴ってるのに、炭坑節を踊って突っ込まれるような感じだろうか。
彼の場合、それじゃ飽き足らないのでダンスを踊って見せているのかもしれない。もちろん、テレビという枠組みの中ではそういう役目も必要だ。 >> 古市憲寿氏の炎上社会学。の続きを読む
まだまだ、SMAPの騒動は相当波紋が広がるんだろう。ただのタレントグループの話というより、企業の跡目争いにも見えるが、テレビなどのメディアや広告の関係者は大変だろうなぁ、と思う。まだ、今後の展開はわからないが、4月の番組改編とか、新年度のキャンペーンとかを考えると、このタイミングで「爆弾」を一度炸裂させておくということなのかもしれない。
言うまでもないが、SMAPをはじめとするジャニーズ事務所のタレントの影響力は強い。彼らを起用すれば、テレビの世界では視聴率を獲得できる確率は高まるわけで、まさに「基軸通貨」のようなものだ。
さらに、テレビ局を支えるCMでも、彼らの価値は高い。テレビ局経営は、二重の意味で彼らに依存している。いわばジャニーズ事務所はTVビジネスに基軸通貨を発行しているわけだ。だから、彼らの価値が暴落しないように、その露出は絶妙にコントロールされている。緩和政策などあり得ないし、ましてやバズーカなどするわけがない。
年末年始にテレビ雑誌を買ったのだが、コンビニで見た限りでは、表紙はことごとく嵐だった。以前はSMAPだったと思う。
表紙だけではなく、中を見てもジャニーズ中心の編集で、彼らがどの番組に出るか?という切り口で誌面が構成されている。ドラマやバラエティー、あるいはニュースにいたるまで、編成表のどこに彼らを配置するか?視聴率を確保するためには、限られた通貨を以下に上手に使うかがカギになるのだろう。
かつては、この基軸通貨がプロ野球の巨人戦だった。こちらのサイトによると、2000年くらいまで、巨人戦の視聴率は20%をキープしている。4月からの改編では巨人戦を中心にして、ゴールデンタイムが組まれていく。 >> テレビ界の「基軸通貨」としてのジャニーズ。の続きを読む
「有名人をコマーシャルに使わない文化」という記事があった。この記事では、最近のニュースなどを見て有名人の私的な領域と、業界の掟についていろいろ書かれている。具体的なことは一切書かれていないのだが、途中で「有名人をコマーシャルに使うということが、アメリカなどでは比較的ない」と書かれた後に、こうした結論になる。
(引用)『「有名人をコマーシャルに使わない文化」の背後には、「人間尊重」の哲学があるのではないかということを、昨日は考えていた。』
個人が考えてエッセイ的に書いてることだし、やや唐突な「三段跳び論法」みたいなものに細かいツッコミは野暮だと思うだけれど、広告やマーケティングについての無用が誤解が広がるのもどうかと思うので、「有名人とCM」について簡単に書いておこうと思う。
・タレントCMは日本特有なのか?
この方も米国との比較で書かれているが、たしかに米国よりは多いと言っていいだろう。米国のハリウッド俳優がCMに出ることは少なく、日本国内でオンエアするものだけに出演することもある。
ただし、世界には米国以外の国もあるわけで、アジアの国では日本のような「タレント広告」も多い。これはネットで調べてもいろいろとケースがある。
また、同じ有名人でもスポーツブランドの広告に選手を起用することはある。ナイキの広告にジョーダンが出演して以降、このような起用は多い。
・なぜタレント広告が多いのか? >> 「有名人とCMと文化」についての整理。の続きを読む