2015年08月アーカイブ

51W50MtEiqL._SX340_BO1,204,203,200_[読んだ本]ジェイコブ ソール著, 村井 章子 (訳) 『帳簿の世界史』(文藝春秋)

少々早めだが10日ほど夏の休みを過ごしてきた。ちょうど猛暑日とともに東京を離れて、戻ってきたらとりあえず普通の夏だった。まあ、一か所に滞在してヒマがあれば本を読むという休みだ。

で、世間はお盆などになろういうタイミングで、読んだ本の感想など。

まずは、今年の4月に出版された『帳簿の世界史』。一つのテーマから歴史を見ていくという試みの本はいろいろあるが、この本のテーマは「会計(アカウンティング)」だ。ちなみに著者は南カリフォルニア大学教授で、歴史学と会計学を専門としている。

冒頭、ルイ14世は毎年会計報告を受けていたが、やがてその習慣をやめてしまった、というエピソードが明かされる。どうやら、ジワジワと悪化していく財政の実態を見たくなかったようだ。そして、やがてフランスの財政は悪化の一途をたどり、課税の議論はフランス革命へとつながっていく。

ただし、この本の現代は「THE RECKONING」、まさに「帳簿」だ。決して、accountingの歴史ではない。複式簿記により、総体として自らの国や企業の財産をどう把握してきたか、という話だ。そして、この「帳簿」をどれだけ大切にしてきたかが、歴史の明暗を分けて来たことがよくわかる。 >> 【夏の本祭り】ちょっといい香りのビジネス書『帳簿の世界史』の続きを読む