2015年07月アーカイブ

7/3の日経電子版で音楽の定額配信サービス関連の記事で、ソニーミュージックエンタテインメントの元社長丸山茂雄氏のインタビューがあった。

印象的なのは、あっさりと「音楽の時代は終わっている」と言っていたことだ。
「もう明白で、みんながそろそろ気づいていいと思っているわけ。かつて音楽っていうのは、LPとかCDとかに入っていた。そこから聴こえる音だけで満足で きるっていう世代は、たぶん70代から40代、ぎりぎり30代まで。それより若い人は音で楽しむという習慣がない。映像が主で、音楽が従という新しい類い のソフトコンテンツにメーンが移っている。」
何でも「~離れ」というのもあまり賢そうな議論には見えないけれど、この現象は自分のような世代にとっては直感的にわかる。それは「コンテンツの私有」という概念で説明できるように思っている。

物心がつくと「自分のもの」が欲しくなる。子どもの頃は玩具や自転車などで、段々と「コンテンツ」を私有したくなる。本というのもコンテンツだが、教科書を含めて「上から与えられるもの」だ。やがて中学生になった頃から「自分だけのコンテンツ」を求めるようになる。そのコンテンツ再生のマシンとともに。

かつては、それが音楽だった。まだレコードの時代で、その再生装置は「家の備品」であることも多い。自分だけのモノにするには、カセットに録音してラジカセで聞く。ラジカセを欲しかったのは、「コンテンツを私有したい」という欲求があったからだった。そして、そのコンテンツは「音楽」しかない。 >> 「誰もが音楽好き」という時代の終わり。の続きを読む