最寄りの駅はJRの車庫がある。乗務員が交代したり休憩したりするので、ちょっと変わった風景が見られる。
昼に定食を出す和食屋で昼から刺身を頼んでビールを飲んでいたり、なぜか14時からやってる居酒屋があったりするのも、実は変則勤務で昼に仕事が上がった人が結構いるからだ。そういう店には壁にJRのカレンダーがかかっていたりする。
時折、制服のままでランチを食べに行く人たちもいる。しかも、あの謎の四角いバッグを持ったままで街を歩いている。いったい、あれには何が入っているのか。
そう考えると、鉄道職員同士の世界って、なんだか不思議だ。どんな会話をしてるんだろ。
「いやあ~今朝の西行きの混み方はひどかったねえ」
「錦糸町の乗降があそこまでかかるとなぁ」
みたいな話だったりするんだろうか。
そういえば、昨年のクリスマスの朝に電車を待っていたら、若い女性乗務員が交代のためにホームの端で待っていた。そして、向かいのホームに上がってきた同年代の男性乗務員と目が合うと、笑って手を振っていた。男性の方がちょっと照れていて、なんかクリスマスもいいなあと思った記憶がある。
いずれにしても、駅員や乗務員たちの世界というのは、なかなかに神秘的だ。これって、ドラマとかが少ないからかもしれない。専門職のドラマと言えば医者と刑事が定番で、彼らがどんな会話をしているかなんてわかるわけないのに、結構わかった気になっているのはそのせいじゃないか。
などということが気になっていたのだけれど、いま首都圏JRでやっている「ウルトラマンスタンプラリー」とかを見ているとますます気になる。
駅ごとにいろんな怪獣や宇宙人のスタンプがあって、それを押して回るやつだ。自分はやってないけど、妻が緩く参加していて付き合ったりする。で、面白いのが「なぜその駅がその怪獣を選んだのか」というやつだ。
で、気になって降りた駅で、その「由来」というところだけ読んでみたりする。五反田の「ペスター」はヒトデのような五角の翼を持っているから、はなるほどなぁと。新大久保の「ピグモン」は人間と友好的な怪獣で、これは国際友好を願いたいという気持ちからとか。そうか、国際情勢が乗降客の多寡に直結しているのかと。あと「駅員に似た人がいる」という有楽町の「ギガス」なんだけど、これは他にもあるようだ。しかし、相当な顔だぞ。
あまり、関係なさそうな「まあ、なんとなく」みたいなのもある中で個人的に一番笑ったのが東中野の「マグラー」。駅長の名前が「真柄」だからって、その手があったか。
で、やはり気になるのが駅員同士の「会議」だ。駅長が「さあ、どうしようかな」とか始めてみんなで会議するのだろうか。「ああ、この怪獣○○さんに似てません?」とか。
たぶん興味のない駅員とかいる一方で、中高年のオジサンが張り切ったりとか。
まあ、ドラマにするには地味な職場かもしればいけど、こういう風景を落語とかにしたら面白いんじゃないだろうか。柳家喬太郎がやったら、相当おかしいのができそうだ。やってくれないかな。