スマホを持ってない。そもそも携帯を使うようになったのが、会社を辞めた10年前なので、まあ、結構そういうものには天邪鬼なのかもしれない。
正確に言うと、2011年から2年ほど携帯電話と「二台持ち」だったのだが、スマホをやめてタブレットにした。iPad mini。実は、これが生まれて初めて買ったアップルの製品だった。
ちなみに、携帯電話は2009年に買った、SA001。SANYOのロゴが何ともいい味を出している。
スマホをやめた理由は単純で、「便利すぎる」ということだった。掌の中で、いろんなことができる。僕の場合、殆どが「読む」なのだけど、それがあまりにも簡単にできる。ちょっと、時間があるとすぐに見る。電車に乗った時とか、何となく出して何となく見る。
ニュースも読んでいたのだけれど、しばらくすると内容をすぐに忘れるようになった。ちょっとした数字とか、それなりに覚えているつもりが、忘れる。まあ歳なのかと思ったけど、スマホで読んでいたモノがどうも忘れやすいと気づいた。
読んでるものに関心がないと、どんどんスクロールが加速するので、読んだつもりでちゃんと読んでない。これはスマホをやめたら、大丈夫になった。
そのうち、街でスマホを持っている人を見ると「人間リモコン」に見えてきた。実はスマホを使っているようで、スマホが人間を動かしているような気がした。実際に地図を見ている時なんかはそれに近い。 >> スマホをやめたワケ。の続きを読む
昨日書いたように、会社を辞めた理由というのはいろいろと書けないこともあるんだけど、それとは別に“グイッ”と加速したような瞬間はたしかにある。
僕の場合に印象的なのは、とある土曜日の朝。
「ああ、会社にずっと勤めるんじゃなくて、別の生き方もあるよなあ」
と、強く感じたことがあった。それには、猫が深く深く関わっている。
2001年の春、土曜日の朝食の後でのんびりしていた。当時飼っていた猫は長毛のバーマンという種類で、僕は猫の毛をブラッシングしていた。
その時、FMから知っている曲が流れてきた。 >> 独立の背中を押したのは猫とユーミンだった。の続きを読む
会社を辞めて十年経ったが、相変わらずよく聞かれるのは「辞めた理由」だ。最近相次いで、辞めて独立した後輩と会ったこともあり、また同じような話をした。
この、「辞めた理由」」だけど、まあ、複数あってすべてを話しているわけではない。幾つかの“段階”に分けている。
辞めた当初は、当たり障りのない理由を話していたが、最近ではもう少し深いことも話す。つまり、会社を辞めた理由は「タマネギ」のようなものだ。話をしていると、「実はさらにこんなこともあって…」といろいろ出てくる。
一つのきっかけで、ドーン!と勢いづいて辞める人は少数派だろう。心の中に「退社インジケータ」みたいなものがあって、ゼロから100までの間で常に動いている。それが、ジワジワと100に達して決断するような感じだと思う。
まあ、時間も経ったので改めて整理しようかな、と。 >> 会社を辞める理由はタマネギのようなもの。の続きを読む
会社を辞めて1人で仕事をするようになったのは、2004年の9月1日だった。
つまり、今日で丸10年になる。10年に何の意味があるのか、まあ十進法でキリがいいと言えばそれまでだが、人の意識が十進法に縛られているところもあり、来し方行く末を考えるにはいいのかもしれない。
10年前、家の猫はまだ1歳になったばかりだった。そして、こうやって見ると少々太って熟女の趣が滲むが、むしろ変わってないことに驚く。
年年歳歳猫相似 歳歳年年人不同。
いや、そんなことはない。猫も人も10年歳をとった。それを勘定するかどうかが、違うだけなのだろう。
そういえば退社の日は、妻とホテルに泊まり銀座で食事をした。翌朝は好天で、日比谷公園を歩いた時の気持ちよさはよく覚えている。まだ、仕事もロクに決まってなかったが、あの浮遊感は忘れられない。
会社を辞めて後悔したことはないけれど、1つ残念なのは、もう「会社を辞める」というあの気持ちよさを味わえないことだ。
そして、ふと気づくと自分の前には相当の自由が広がっていることに気づいた。仕事を何歳までするか、どう生きるか。これだけの時間をどうしようか?とワクワクした感じをよく覚えている。
ところが10年経つと、全く異なる。50歳になると「もう全然時間がない」という感覚が先に立つのだ。
これには、正直驚いた。 >> 会社を辞めて、一人で始めて、10年経って。の続きを読む