平日のお昼に家で食事をすることは結構多い。たいがい自分で何か簡単なものを作りながら、テレビを見ている。面白いという気もしないけれど、この時間のテレビを見ているのは主婦や高齢者なので、そうした人の嗜好がわかるというのも、自分の仕事をする上で結構発見もある。
「笑っていいとも!」は、リーマン・ショック以降制作費が相当減ったのか、退屈になった。それまでは、クイズのために調査したりとか、結構仕込みのある企画もあったのだけど、それでも持たせていたのはタモリの才覚だったんだろう。
よく見るのは「ヒルナンデス!」で、このターゲットは「自分で検索するのが面倒な人」なんだと思うけど、まあお気楽に見ていたりする。
で、さすがに気になって、先週はフジテレビの「バイキング」を見てみたんだけど、これが想像以上に変なのだ。つまらない、とかいうのを通り越している気がする。
テレビをつけて、食事をしていると「アレ、ところでこの番組何やってるんだ?」とふと気づく。自分がおかしいのかと思って、じっと見ていても一体何がしたいんだか、よくわからないのだ。
テレビを見ていて、こういう気分になったのは初めてである。
今日も見てみたのだが、「南房総の地曳網」とか生中継していた。それはいいんだけど、ワーワー騒いでいるだけで、見ているうちに不安になってしまった。
スタジオでもタレントの叫び声ばかりで、観客の笑い声とかあまり聞こえない感じ。「これはテレビ番組なんだろうか」という感じである。リハーサルを中継しているのか、単に放送事故を流しているのか?という佇まいで、もうこれは新たな領域に入っているのか、と。
準備不足なのかもしれないが、それにしても、この「とりあえずバラエティやってますというだけで、なんか「建築中の建物引き渡してます」という感じになってる。
で、見ているうちに思い出したのは、ジョン・ケージの「4分33秒だ」。もともと、何も書いてないのだから、何でもあり。そんな境地になっているのか。すごすぎるぞ、フジテレビ。