2014年02月アーカイブ

で、今回の佐村河内氏の騒動を振り返った時、少なくても彼の音楽が「人の心を動かした」ことはあったわけなのだろうが、そのことについてはあまり論じられてない。「全聾」や「親が被ばくした」などの情報があったからだ、ということを指摘するのは簡単だけど、実はクラシック音楽の抱える問題点をあぶり出した気もするのだ。

僕はNHKのテレビで見たのだが、スペシャルではなくて報道番組の一部だった。だから彼の曲を長い時間耳にしたわけではないが、たしかフィナーレの音を少し聞いた時にマーラーの3番を思い出した。

「ああ、このパターンなんだな」と思ったので、僕はそれ以上興味を持たなかった。こう書くと、彼が書いたとされる曲は水準が低いかのように思われるかもしれないけれど、そういう意味ではない。ここで書きたいのは、自分も含めてクラシック音楽を聴く人間の感性や業界の常識が、どこか行き詰っているんじゃないか?ということなのだ。

クラシック音楽というのは、「昔の曲」に聞こえるかもしれない。実際にほとんどの演奏会では「昔の曲」が演奏される。ところが作曲界については、全然「昔のような曲」は作られない。19世紀末ごろから、いわゆる「調性」が消えて行き、つくられる曲はドンドン聞きづらくなっていった。

なんだか、「フヒャ~ン」とか「キィ~ン」みたいな音楽である、といえばわかるだろうか。

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NHKの「妄想ニホン料理」を見ていると、テレビがつまらないというのは企画力の問題に尽きるんだなぁ。と思う。

この番組は、色々な国の料理人に日本の料理を作ってもらうのだが、その際に簡単なヒントだけを与える。先日オンエアした「親子丼」だと、「素材が親子」「ご飯にのせる」「トロトロ」とか3つのヒントで、後は各国の料理人が妄想する。

「親子」1つとっても、野菜だったりまたはトンデモない動物だったりかなり面白い。一方で、料理のロジックというものがよくわかる。「どうやったら」おいしくなるのかは各国で違うようでいて、共通するものがある。

たとえば「大学いも」では「黄金に光り輝く」というヒントなのだが、ここからの発想が結構似ていたりもするのだ。

笑えるし、深い。

そして、思ったのが「テレビならでは」というか、ちょっとネットでは難しいかな、ということ。どちらかというと、niftyの「デイリーポータルZ」とかにはできそうな企画だけれど、作るプロセスとかはやはりテレビ向きだ。(ちなみに国内取材の回もあったらしいし、ネットでもできない企画ではないけど)

まあ、「ネットに押されて」というのは、うまくいってないメディアの言い訳なんだよな~と改めて感じたりする。

ただ、やっぱりネットの影響力は強い。その強さを見過ごして失敗したケースが、「アイアンシェフ」(かつての「料理の鉄人」)だと思う。

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(2014年2月4日)

カテゴリ:雑記
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tabletsタブレットを3つ持っている。一昨年の暮れに初期型のNEXUS7を買って、これはwi-fiで自宅使用。妻が主に使う。

同じ頃に、kindleのpaper white を入手して、これは僕が持ち歩いている。

で、先月にipad mini を購入して、これは僕が使っている。

こう書くと、「タブレット・マニア」のように思われそうだが、実際には使用用途がかなり限定されている。webを見て、外ではメールをやり取りするが、基本は「読むため」の道具だ。動画は見ないし、音楽はスピーカーでしか聴かないので、何だかもったいない気もするが、それでも十分に重宝している。スマートフォンをやめたので、必要なデバイスなのだ。
NEXUSは「試し」くらいのつもりで買ったけど、これで紙の新聞はやめることになった。そしてスマホをやめて「ガラケー+タブレット」にする時に、電波の問題でauを選ぶことにした。都内はともかく、よく行く地方のエリアではau以外LTEの波が来ないのだ。
それがipad mini を買った理由であって、電波さえクリアできればNEXUSでもよかったのだ
3つ比べて、いろいろ感じたのだが、この7インチ近辺のタブレットで、自分にとって一番大切なのは「大きさ」だと感じた。
というか、個人的にはNEXUSの方がいい。auの波が使えれば、そっちにしたいくらいだ。

理由は簡単で、「幅の差」なのだ。

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