kindleを一年使って、「本との付き合い」が変わってきた。
(2014年1月28日)

カテゴリ:雑記
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kindleを使い始めて一年あまりが経った。どうなったかというと、とりあえず小説については「kindle化されているものから読む」ようになっている。
なぜ、電子書籍にしたいのかというと最大の理由は置き場所だ。数千冊の本が自宅にあって、さらにそれ以上の本を置くため、近所にトランクルームを借りている。本を保管するためにこれ以上コストをかけたくはないのだ。
kindleのpaper whiteを購入したのは一昨年の12月で、その直後に休暇で海外に行った。プールサイドに持っていったら、両側の西洋人が二人ともkindleを持っていたことが印象的だ。
で、本を読む上で紙と比べて何ら困らないかというとそうではない。「小説については」と書いたけれど、ある程度難しい専門書や学術書だと、やっぱり紙がいいように感じる。
僕の感覚でいうと、電子書籍の最大の欠点は、「ページをガバッとめくれないこと」なのだ。
あと付箋やアンダーラインに該当する機能もあるが、これだって紙の方が遥かに使いやすい。本を書くときなどの、参照・引用する場合のことを考えると、やはり紙というのは相当によくできているなあと思った。紙の本がなくなるというのも早計だと感じる。

ただし、自分にとって「本を読む楽しみ」は殆ど小説やノンフィクション、歴史書なのでkindleの良さをかなり楽しんでいる方だろう。
スポーツジムではエアロバイクの前において、ずっと読んでいる。旅の時も、重さを気にせずに読んでみたい本を持って行って、その時の気分で読み分けられる。
個人的には、こんな便利なものはドンドン広がるかと思ったけれど、周囲にはほとんどkindleユーザーはいない。もっとも、kindleのタイトルも当初はかなり薄い感じがしたがここに来てかなり増えてきたのでこれからなのかもしれないが。
ただし考えてみると、蔵書のためにルームを借りて、ハワイのプールサイドで「剣客商売」を読み、エアロバイクこぎながら「小説フランス革命」を読むような人間は、かなりマイノリティだろう。
そうなると、まだまだ電子書籍の普及テンポは遅いかもしれないが、もう一つ気になるのは年代のことだ。
意外と若い人は、紙の本を手に入れて本棚に並べることを好むようにも感じている。自分も、若い頃は書棚に増えていく蔵書を眺めることが楽しかった。一定の年齢になって、ある程度本が増えてきて、その一方で「再読したくなる本」が意外と少ないことに気づくと、途端に本棚が疎ましく感じられてくるのだ。
また特に稀覯本を持っているわけでもないので、仮に手放しても大概の本はネットで調べて古書で入手できる。そうなると、「蔵書」という行為を見直したくなる。
kindleを使い始めて面白かったのは「本との付き合い方」を改めて考え直したことだ。そしていまは、トランクルームの縮小・撤退計画に入っている。