2012年11月アーカイブ
「つまり、”カネじゃない”はカネ、なんだ」
これは、某弁護士が残した言葉として、企業法務の世界では伝わっているという。つまり、こういうことだ。
ある人が企業にクレームをつけて来たとする。違法ではないがトラブルになり、菓子折りを持って謝罪してもダメというような状況で、必ず「落としどころ」が問題になる。
そこで、クレームをつけた当人がこういう。
「こちらが言っているのは”カネじゃない”。おたくの誠意が見たいんだ」
ところが、件の弁護士によれば、この場合は結局「カネで解決」することが殆どだという。つまりというわけで、「”カネじゃない”はカネ」という金言が生まれたのだろう。
最近のおカネをめぐる話を見ていると、このエピソードを思い出す。
「人生、カネじゃない」
そんなことは言われなくてもわかっている。ただし、どれくらいカネにこだわるかは人それぞれだ。でも、若者がついに「カネ離れ」まで起こしているような話も出てくる。
「若者はおカネよりも人との結びつきを求める」みたいな記事も散見されるようになった。そういう話に「ソーシャル」の文字でも入れれば、何となく今どきの風潮を描いた記事にはなるんだろうか。