2012年10月アーカイブ

広告業界の方ならばよくご覧になっている「業界人間ベム」が、、広告会社の行く末を案じている。ここで、取り上げている問題を一言でいえば「営業がトーシロ(素人)になってしまった」ということだ。
ただし、これは広告業界だけの問題でもない。僕が観察している範囲でいうと、サービス業を中心にして広く見られる状態だ。
簡単に言うと、「営業とは何?」ということが定義できてない。業務もスキルも、きちんと記述できない状態で、ただ毎日の仕事に忙殺されているのだ。
「営業」という仕事には、2つの側面があると思う。1つは「販売」つまりセールスだ。いわゆるセールスマンの仕事で、クルマや保険などが典型だろうか。この場合、実績は売上だけで評価される。年間100台のクルマを売る営業は、50台売る人よりも2倍の価値があるということだ。(報酬が倍にはならないが)。
そして、もう1つの側面が「顧客管理」で、アカウント・マネジメントということになる。広告会社の営業が「アカウント・エグゼクティブ」を名乗ったのは、単なるセールスではないという意味だろう。
顧客のニーズをつかみ、複数のサービスを最適にパッケージすることがその使命である。ただし、広告業界の主力商品は長らく変化がなかった。マスメディア市場の成長は、経済成長と連動し、その低迷もまた同様だ。しかし、メディアの選択肢は爆発的に増加した。その結果「最適パッケージ」を考案するスキルが追い付かない。とりあえず旬の素材を寄せ集めた、できの悪い幕の内弁当があふれることになる。このあたり、百貨店の衰退とも似ているよう思える。
さて、新しいスキルを獲得できない営業はどうなるか?

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