ブログを書いていると、意外なエントリーの反響が多かったりする。最近だと「フリーランスの勘違い」とか「世界を変えたい若者って」みたいな、「働き方」についてのものが多い。
で、僕は2004年の9月に独立して以来、法人組織にしていない。そして7年くらいが過ぎた。そこで感じたことを書いてみようかと思うのである。
一応短期連載予定で、今日が第1回目である。タイトルは「フリーの花道」。「フリーの心得」とか考えたけど説教臭いので、特に意味なしタイトル。
で、そもそもフリーっていうのは「旬な働き方」なのだろうか。
会社に捉われない生き方、というのはよく耳にもするが、そもそも日本では自営業者は減少を続けている。1990年に878万人だったのが、2010年には579万人だ。一方で雇用者は4835万人から5463万人に増加した。非正規雇用が増加したこともたしかだが、常雇も増えている。
着実に会社員は増えているのだ。
僕は2004年の9月に独立して以来、法人組織にしていない。そして7年くらいが過ぎた。そこで感じたことを書いてみようかと思うのである。
で、今日のテーマは「自由と自決」である。
「自決」と言っても、いきなり切腹したりする話ではもちろんない。「自分で決める」という意味で、そういえば世界史に唐突に出てくる「民族自決」の「自決」だ。
フリーランスの適性があるかどうかは、この「自決力」があるかどうかだと思う。自由業は自決業と言ってもいい。もちろん、「自決力があること=優れた人」ではない。これはあくまでも適性の話である。これを勘違いしている人が多いことは、以前にも書いた。
この「自決力」について考えたのには、ハッキリとした記憶がある。
今日フェイスブックを眺めていると、何だか「話が合わない」感覚になっていた。そうか、バレンタインデーなのである。バレンタインデーはもちろん、「男女の愛を確かめあう」ということで結構なのだが(←ひどくオジサンくさい言い回しだ)、義理チョコのようなお祭りがあって、それはオフィスに行かないとわからないわけだ。
今日は妻も家にいて、さっき昼飯を一緒に食べたのだが、チョコはどうなんだろう。最近はあったりなかったりかもしれない。夜は落語の公開収録に行く。まったくバレンタインじゃないけど、まあそれはいい。
で、こういう日にネットを眺めていると、やっぱり会社勤めのことを思い出す。で、なんで自分はフリーを選んだろうなとか改めて考えたりもするのだ。
一番最初に「会社辞めようかな」と思ったのは入社式の時だった。それは、大変によく覚えている。式の後の人事の説明で「定年まで38年ある」と言われたのだ。
そんなこと、考えていなかった。そして、「こりゃ、長いな」と思ったのだ。
「タワー棟」を新築した。別に家を建てたのではない。自宅の仕事部屋の棚を増築したのだ。おそらく、その殆どは書物で埋まるだろう。
今の部屋はオーダーメイドの書棚とデスクがある。難儀なのは書籍の収納だ。どうにも大変になって来たので、写真のように棚を増やしたらいかにも「タワー棟」のようだ。
この部屋には写真に写っていない所にもう一つ本棚がある。別の部屋にもあと二つあって、この工事と一緒のタイミングでもう一つ増やした。
で、近所のレンタルルームに天井までの書棚が5つある。これがかなり埋まってきている。つまり書物の収納はかなり悩ましいのだ。どうしてくれよう、というわけで当然電子書籍の話が気になる。キンドルとか、どうなるんだろ。
電子書籍に否定的な人って、こういう悩みはないんだろうか。よほど広大な家に住んでいるのか、何か本を小さくする技術でも持っているのか。ドラえもんにあった気がするが、そういう道具が。
出版関連ビジネスが、電子書籍にいま一つ積極的でない理由もいろいろあるだろう。「紙は古い」で済むわけもない。自分だって本を書く立場だから、まあ事情はわかる。しかし、一人の読者としてはやはり「アトムからビット」になってもらわないと、収納のためにカネを使うのはいい加減にそこそこにしておきたいわけだ。
しかし、日本で電子書籍の展開が鈍いのは「日本」の問題というより「日本語」の問題なんだろうと思う。
就活が始まる頃になると学生から決まって聞かれることがある。
「どうして、広告業界を志望したんですか?」
「自己PRとか志望理由はどんなふうに書いたんですか?」
聞きたくなる気持ちはよく分かるのだけれど、うまく答えてこなかった。半分はホントに忘れているのだが、もう半分は何となく照れくさいのでちゃんと思い出そうとしなかったのだ。だって、何か恥ずかしいじゃない。もはや四半世紀前のことなのに。
ただ、あまりにも聞かれたり、今年は学生相手に少人数クラスを持っていろいろ相談も受けたので真剣に真剣に考えたら、最終面接のことを思い起こした。
就活時に僕の話の構成は二本柱があった。一つは高校から続けていたオーケストラの話で、これは「チームプレイ」への話へつなげる。もう一つは大学の研究室の話で、選挙分析で統計などもいじっていたのでこれを「マーケティング」につなげる。あとは、自分の「人となり」として、まあ読書好きだったりしたことを話してきた。
ところが最終面接で、このパターンで行き詰ってしまった。
明らかに面接の雰囲気が滞って、前にいる面接官(おそらく役員クラス)がつまらなそうにし始めたのである。
(しまった……)
と思った時に、一人が尋ねてきた。
コンサルタントやクリエイターなど、企画提案を生業とする人にとって大切な数字は”3”のはずだ。一つのページには「3つの理由」や「3つのポイント」だし、企画案はABCの3点で臨むことが多い。
おさまりがいいのだ。そして、その理由とコツを考えてみたい。これってエントリーシートなどにも使えると思うんだよね。このESもそうなっているし。
まず、「1点勝負」が危ないことはわかると思う。では2案だとどうなるか。
これは、いわゆる「二項対立」という状態になりやすい。モノが2つあると1つの軸が生まれる。そうなると、AとBは、対立して見える。提案を受ける側からすると、AとBの「どっち?」と迫られるわけで、決定する時の心理負担が重くなることもあるだろう。
それで、C案が登場する。この3つ目の案が出てくると対立軸は見えなくなってくる。点が3つで平面が決まり、安定する感じだ。
じゃあ、4つになるとどうか。不思議なもので、偶数になると人は2つに分けたくなるようで、再度軸が生まれたりするのである。そして、5点以上になるとグチャグチャになる。
まあ、そういう経験値から”3”という数字は大変ありがたい。
もう少し細かく言うと、「AとBで対立軸をつくり、Cでその軸をバラす」というまとめ方がいいと思う。