新刊を出します。『世代論のワナ』という題で新潮新書からです。とりあえず、我が家のネコに売り子をさせました。
タイトルの通り、怪しげな世代論がドンドン増殖していることへの警鐘が主眼です。「ゆとり世代」「バブル世代」のようなレッテル貼りが、かえって世代間のコミュニケーション、特に職場での風通しが悪くなっているんじゃないの?という視点で、問題点を考えて、次への道筋を考えました。
自分自身、マーケティングの仕事をして、かつキャリアについても論じているので「世代」の問題には向き合ってきたつもりです。ただし、ちょっと過剰だった点もあったな、という反省も含めて書いてみました。
そういう意味では、人材論という面とメディア論がゴッチャになったような切り口です。「世代を分ける」のではなく、「どの世代が、その時の世代論に影響を受けたのか」という議論をしてみました。
この本は「大ぶろしきを広げて、小さく畳む」という試みをしています。
前半は、「世代論がどうして生まれて、どのように変質したか」という視点で捉えています。後半では「では今の職場でどうすればいいんだろ」ということで、これは自分自身が若い社会人や学生と話してきたことを中心に幾つかのケースを書きました。
章立ては以下です。
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はじめに 世代論という情報戦
1章 若者論というノイズ
2章 世代ラベリングを解体する
3章 変質した世代論
4章 就活に作られた世代
5章 職場に流れ込む「煽り」
6章 手探りの対話から
7章 楽しいタテ社会を作る
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という感じで、いきなり「ですます調」のエントリーでした。関心のある方は、ぜひご一読を。
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駅構内のB倍ポスターに、こんなキャッチコピーがあった。
「インターネットを通じて、世界をより良くする」
GREEの企業広告だ。時期的にいって、リクルーティングを意識しているのだろう。ちなみにこのコピーは、いわゆる「コーポレートメッセージ」のようだ。隣には英語のポスターもある。
ただ、読んでみても「どうやって世界を良くするの?」ということはわからない。あまりにも抽象的だ。他のネット関連企業のステートメントだとしてもおかしくはない。
そんなことを思いながら、ホームに上がり電車に乗った。
額面広告はすべて「ドリランド」だった。GREEの提供するサービスだ。右も左も「ドッドッドリランド」。まあ、そのセンスとかは特にコメントしない。
ただ、ドリランドは紛れもなくGREEのインターネットサービスなので、先のメッセージに「ドリランド」を代入してみてもいいんだろう。すると、こうなる。
「ドッドッドリランドを通じて、世界をより良くする」
それで、世界が良くなるんだろう、きっと。
理念は素晴らしい。でも上半身と下半身の人格がネジレを起こしているような感じだ。
「ドリランドで、世界はこんなによくなった」
いつかの将来、そんな報告がされることを、僕たちは期待していていいのだろうか。
■お知らせ:新刊「世代論のワナ」が新潮新書より発売されました。出版社のサイトはこちら。amazonはこちらです。