自分のブログで政治批評をやるつもりはないのだけれども、今の首相を「人事部が査定したらどうなるか」というのは興味深い話ではある。
そう思ったのは首相が「話した」と報道され、その後撤回した「10年、20年住めない」という発言の件である。実は似たような話が震災後に多い。時系列でいうと。
その1.地震直後の3月16日に内閣特別顧問の笹森清氏に「ぼくはものすごく原子力に強いんだ」などと話したことを、笹森氏が記者団に話して記事に。
その2.4月11日に公明党の斉藤幹事長代行に「細野豪志氏を原発担当大臣に」と電話で話して、報道されてその後霧消。斉藤氏は首相の大学の後輩。
その3.昨日松本健一内閣参与に「避難区域は当面住めないだろう。10年なのか20年なのか」と話したことを松本氏が記者団に話して記事に。その後両名とも否定するも大騒ぎ。
共通点があって、「大事だけど迂闊に口にしてはならないこと」を「部外者」に話して、そこから漏れるというパターンである。
簡単にいうと、このようなリーダーは査定するとかなり低いポイントになる。というか、ダメなのではないか。もし、こんなリーダーが職場にいたら?と考えればすぐわかる。
① 公式な部下よりも同期や同窓あるいは社外の人に大切なことをいう
② しかもそういう話を聞いた人の口が軽く、部下の耳にも入ってくる
③ 「口の軽い人」を見抜けず、言われた人も「軽い言葉」だと思うのでまたしゃべる
真っ当な会社なら「管理職降格」になることは間違いないだろう。
「どのくらい暮らせないか」というシミュレーションはたしかに必要だと思うし、今でも専門的な検討はされているだろうし、するべきだろう。でも、それをトップが「ポロリ」ということか。
経営者が社外の人に「もうウチの会社はダメだ」と言って、それが漏れたら社員はどう思うだろうか。
というような話なのである。
書いてて哀しくなってきたが、官邸の方が原発よりもっと恐ろしいということなのだ。
2011年04月アーカイブ