モバゲーに公取委の検査が入ったようだ。事実であれば、よろしくないことは確かなのだけれど、「ああ、やっぱり」的な感覚である。いや、現場の状況に詳しいわけではないんだけれど、携帯ゲームの企業には少々greedyな印象がある。もしかしたら「怪盗ナンタラ」のイメージがあることからの先入観かもしれないけれど。
しかし、モバゲーにとってはかなりタイミングが悪い。何とも叩かれる素地がそろっているように思うのだ。昨日の新聞でもテレビCMの放送回数で携帯ゲーム二社が2位と4位に入っていると報じられていた。また、収益力の高さも注目されている。
それでいて、課金システムなどについての巧妙さについてやっかみ半分の批判もあったり、「下流喰い」という人もいる。さらに釣りのゲームを巡っての訴訟など、まあ何というか「あまりお行儀のよくない」感じがあったわけだ。
ちなみにこの「お行儀がよくない」という表現、金融界の人がかつての関西財閥系銀行のことを評するのによく使っていた言い方である。
この「叩かれる潜在文脈」を持っていたという点において、この一件、エビ蔵と何とも似ている。彼だって、「あまり好かれていないけれど正面切って文句は言いにくい」タイプだったのだ。だからこそ、あれだけの祭りになる。出てくるネタが突っ込みどころ満載だし。
その一方で「出る杭を叩く」歴史がまた来たのか、という印象を持つ人もいるだろう。そう意味では、「どこかで見た風景」と言えなくもない。
もっとも「公取委が検査に入った企業のゲームなんかやれるか!」という人がそれ程いるわけでもなし。ニュースの意味がわからんユーザーも多そうだし。ただしビジネスの世界におけるポジションは、下がるだろうし、人材採用などにはジワジワ影響が出るだろうと思う。
しかし、あれだけ出稿の恩恵を受けているテレビ局にとっては「自粛」されたらたまったもんじゃないだろ。「それはエビだけでいいから」が、局のお願いだろうなあ。