2010年12月アーカイブ

「じゃらん」の手数料値上げの件がもつれている。最近、宿泊団体も要望書を出したという。このニュースによるとじゃらんネットのポイントを他サイトと共通化する中で、ポイント付与時に旅館やホテルがリクルート側にポイント付与分を支払い、使用時に宿泊施設に支払うというものだ。
いわばポイント分を宿泊施設側が前払いするわけだが、このポイントをユーザーがホットペッパーで使うかもしれず、結局手数料の「値上げ」という形で報じられた。その後箱根の宿泊施設と「団交」のようなこともおこなわれて、かなりもつれている。
先の記事にはこうある「2人以上1室利用では現行の8%が10%に、シングルではシステム利用料率自体の引き上げと合わせて4%から8%に倍増させる。3万円のシングルプランをじゃらんネットを通じて販売した場合、リクルートに支払う手数料が従来の1200円から2400円となる。」
リクルートの、このビジネススタイルを、どう捉えればいいのだろうか。この方のブログで書かれているように、宿泊施設側にも怠慢だった部分もあるだろう。ただし、僕はこの一件について、リクルートの方法論に疑問と寂しさを感じている。

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新刊のお話、その1。
朝日新聞出版から「マーケターを笑うな!」という本を出した。家のネコを無理やりセールスレディに仕立ててみたが、無理やり起こされたので不機嫌な顔になってしまった。無愛想な売り子で申し訳ない。
きっかけは編集者の人が、昨年のad techで僕に関心を持ったらしく、ある時相談にいらっしゃった。なぜか「webマーケティングの本など」と言われので、「よく知りません」と言いつつ、お話をしているうちに「マーケティングではなく “マーケター”の本にしませんか」ということでまとまった。
で、僕がタイトル案だけを先に口走った。
「たとえば、『求む、マーケター』とか『マーケターを探せ!』とか」
先方は、フムフムとメモをとっている。
「なんか、よく分からないが『マーケターを笑うな』とか」
そんな初対面の1時間ほどの雑談を終えて別れたのだが、先方の編集長が『マーケターを笑うな』をいたく気に入ったということで、企画がスタートした。
これは、マーケターの仕事や発想法、あるいはキャリアや組織でのあるべき姿を論じてみた本だ。
3.0がどうしたとか、あえて最先端の話は書いていない。ただし10年後でも重要なこと、つまり「変わらない部分」について書いている。「知っている話だ」と思う人もいるかもしれないが、「知ってるはず」のことを再整理して新しい視点も入れているつもりだ。
マーケティングの本、と言っても最近出ている本はよく見るとメディアの変化に対応するための「プロモーション」の本だったりする。この本は、メーカーなど開発サイドのマーケターの視点から、チャネルやプロモーションの現場まで「あちらこちらで頑張るマーケター」のお話を書いた。

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