2010年12月アーカイブ
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新刊のお話、その2。
昨週末、新潮新書から「電通とリクルート」が発売された。またネコに持たせてみた。少しは売り子らしくなってくれただろうか。
中身は、2社の戦後史を追いかけ直して私たちの消費生活の「今までとこれから」を考えてみる、というものである。2社のビジネスを分析したり、ましてや内幕を書いてみようという本ではない。
ある意味、メディアや広告業界の外で生活してきた人が「ああ、情報ってこうやって影響を与えていたのか」ということを考えてみてもらえれば、という気持ちで書いた。一方で、「広告ビジネスはこれからどうなるのか」ということについて書いたわけでもない。業界の話ではなく、とある国の人々の30年程の航跡をたどった本だからである。
いわゆる「広告」というものを「発散志向」と「収束志向」という観点で整理をして、それが社会の中でどのような役割を果たして。今後どうなるのだろうか?という視点で考えた。あまり詳しくここで書いても仕方がないのだけれど章タイトルは
「元栓のうまみ、毛細管の凄み」「情報誌を欲したのは誰か」「『感動をありがとう』の正体」といった感じで、とりあえずamazonのリンクはこちら
なお、この本にはささやかな仕掛けがあって、それは最後の5行でわかるようになっている。できれば後ろから開かないでいただきたい。



「じゃらん」の手数料値上げの件がもつれている。最近、宿泊団体も要望書を出したという。このニュースによるとじゃらんネットのポイントを他サイトと共通化する中で、ポイント付与時に旅館やホテルがリクルート側にポイント付与分を支払い、使用時に宿泊施設に支払うというものだ。
いわばポイント分を宿泊施設側が前払いするわけだが、このポイントをユーザーがホットペッパーで使うかもしれず、結局手数料の「値上げ」という形で報じられた。その後箱根の宿泊施設と「団交」のようなこともおこなわれて、かなりもつれている。
先の記事にはこうある「2人以上1室利用では現行の8%が10%に、シングルではシステム利用料率自体の引き上げと合わせて4%から8%に倍増させる。3万円のシングルプランをじゃらんネットを通じて販売した場合、リクルートに支払う手数料が従来の1200円から2400円となる。」
リクルートの、このビジネススタイルを、どう捉えればいいのだろうか。この方のブログで書かれているように、宿泊施設側にも怠慢だった部分もあるだろう。ただし、僕はこの一件について、リクルートの方法論に疑問と寂しさを感じている。

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新刊のお話、その1。
朝日新聞出版から「マーケターを笑うな!」という本を出した。家のネコを無理やりセールスレディに仕立ててみたが、無理やり起こされたので不機嫌な顔になってしまった。無愛想な売り子で申し訳ない。
きっかけは編集者の人が、昨年のad techで僕に関心を持ったらしく、ある時相談にいらっしゃった。なぜか「webマーケティングの本など」と言われので、「よく知りません」と言いつつ、お話をしているうちに「マーケティングではなく “マーケター”の本にしませんか」ということでまとまった。
で、僕がタイトル案だけを先に口走った。
「たとえば、『求む、マーケター』とか『マーケターを探せ!』とか」
先方は、フムフムとメモをとっている。
「なんか、よく分からないが『マーケターを笑うな』とか」
そんな初対面の1時間ほどの雑談を終えて別れたのだが、先方の編集長が『マーケターを笑うな』をいたく気に入ったということで、企画がスタートした。
これは、マーケターの仕事や発想法、あるいはキャリアや組織でのあるべき姿を論じてみた本だ。
3.0がどうしたとか、あえて最先端の話は書いていない。ただし10年後でも重要なこと、つまり「変わらない部分」について書いている。「知っている話だ」と思う人もいるかもしれないが、「知ってるはず」のことを再整理して新しい視点も入れているつもりだ。
マーケティングの本、と言っても最近出ている本はよく見るとメディアの変化に対応するための「プロモーション」の本だったりする。この本は、メーカーなど開発サイドのマーケターの視点から、チャネルやプロモーションの現場まで「あちらこちらで頑張るマーケター」のお話を書いた。

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(2010年12月8日)

カテゴリ:世の中いろいろ
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モバゲーに公取委の検査が入ったようだ。事実であれば、よろしくないことは確かなのだけれど、「ああ、やっぱり」的な感覚である。いや、現場の状況に詳しいわけではないんだけれど、携帯ゲームの企業には少々greedyな印象がある。もしかしたら「怪盗ナンタラ」のイメージがあることからの先入観かもしれないけれど。
しかし、モバゲーにとってはかなりタイミングが悪い。何とも叩かれる素地がそろっているように思うのだ。昨日の新聞でもテレビCMの放送回数で携帯ゲーム二社が2位と4位に入っていると報じられていた。また、収益力の高さも注目されている。
それでいて、課金システムなどについての巧妙さについてやっかみ半分の批判もあったり、「下流喰い」という人もいる。さらに釣りのゲームを巡っての訴訟など、まあ何というか「あまりお行儀のよくない」感じがあったわけだ。
ちなみにこの「お行儀がよくない」という表現、金融界の人がかつての関西財閥系銀行のことを評するのによく使っていた言い方である。
この「叩かれる潜在文脈」を持っていたという点において、この一件、エビ蔵と何とも似ている。彼だって、「あまり好かれていないけれど正面切って文句は言いにくい」タイプだったのだ。だからこそ、あれだけの祭りになる。出てくるネタが突っ込みどころ満載だし。
その一方で「出る杭を叩く」歴史がまた来たのか、という印象を持つ人もいるだろう。そう意味では、「どこかで見た風景」と言えなくもない。
もっとも「公取委が検査に入った企業のゲームなんかやれるか!」という人がそれ程いるわけでもなし。ニュースの意味がわからんユーザーも多そうだし。ただしビジネスの世界におけるポジションは、下がるだろうし、人材採用などにはジワジワ影響が出るだろうと思う。
しかし、あれだけ出稿の恩恵を受けているテレビ局にとっては「自粛」されたらたまったもんじゃないだろ。「それはエビだけでいいから」が、局のお願いだろうなあ。



(2010年12月7日)

カテゴリ:マーケティング
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今年は結構ノンビリした年になった。
自宅にいる時間が長くて、単行本を4冊書いて3冊出す。いや、まだ一冊しか出していないと言われるかもしれないが、今日2冊目が出て、17日に3冊目が出るのである。いずれにせよ、自宅に一日いることも多かった。
さらに妻が週に3日ほど外で働くようになったので、いきおい自宅で一人で昼食となる。外に行ってもいろいろ店はあるのだけれど、家で食べるのも悪くない。今日も、妻が持って行った弁当のおかずと、野菜の煮物と蕪の葉と油揚げを炒めた常備菜。米は発芽玄米半分で雑穀を入れたもの。
それを一人で食べるとなると、テレビを見る。日本テレビの「DON!」か、フジテレビの「笑っていいとも!」あたりを見ているわけで、いきおいこの時間帯のCMもよく見た。ひところはモバゲーやグリー、それに通販の健康食品がが多かったけれど、最近は大手のトイレタリーや化粧品が復活している。スポットを中心にTVCMの市況は回復しているのだろう。円高で石油価格なども落ち着いているので、一般消費財からの出稿が戻ってきているようだ。
見方を変えれば携帯ゲームなどの企業は、高値ではそうそうCMを打たないということだろう。かなり合理的なバイイングをしているのだと思う。
という、ややこしい話はおいておき、そうテレビ番組だ。散々くだらないとか見る価値がないとか言われているようで、というか自分でも思ってたけれど、やはりついつい見るとそれなりに見られるものだ。「笑っていいとも」とかマンネリの象徴のように言われるけれど、結構それでも「見られる」ものだ。
曜日によるけれど、とりあえず1時間ほど飽きないで見られる番組を作り続けているのは大変なことだと思う。
昼だけではなく、最近は(原因不明だが)夜の外食も面倒で家で食べたりすることが多い。どうなるかというと、テレビをつける。プライムタイムのコンテンツは確かに面白いものは少ないけれど木曜は「VS嵐」から「空から日本を見てみよう」という流れができてしまった。

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