「顔を見ればわかる」という本があった。とある脚本家の書いた「顔」評論で、政治家から芸能人まで「顔」を批評して言いたい放題の本だった。
かなり、乱暴な評論だったけれどそれなりに妙な納得性があったりした。
顔についていうと、これは結構重要じゃないかと思うことがある。
よく大学生に「採用面接でどこを見るか」と聞かれるが、僕の場合はまず「顔」である。
これはキャリア関連の仕事をしている人でそう考えている人は結構多い。
もっとも言うか言わないかは別である。現役の人事が口にしたら、まあ問題にはなるだろう。
ここで言う「顔」というのは、最初の会った時に「負けない」ような強さを持っているかどうかということである。もちろん「眼」の比重は高いけれど、単に面接官にガン飛ばしてもどうにもならない。
顔全体に「強さ」「自信」といったものが漂っているかを、気にするのだ。
で、そういう面から見ると、近頃見た「最低の顔集団」は、相撲協会の人々である。
今の理事長も、その前だって現役の時はもっとマトモな顔をしていた。ところが、記者会見で見る顔はひどい。追いつめられての会見だからではなく、実は平時から結構ダメな顔だと思う。
他の理事もひどい。目が定まっていない、泣きそう、あるいは逆に睨んでいる。
暴力団がらみで降格された親方に至っては、しゃべりも含めて問題外の外、といった感じだった。
僕が興味を持つのは、いろんなスポーツの中でこれほど「現役と引退後」の顔の落差が激しいのが他にはないということだ。
ワールドカップの「日本×オランダ」戦の視聴率が想定以上に低かったという。
NHK衛星の影響はかなりあるのだろう。アナウンサーが「CMはありません」と言ったのが原因だと報じる向きもあるけど、そんな発言はおそらく関係ない。
単に民放のスポーツ中継を嫌いな人が増えていると言うことだろう。
それは放送する側の方法論が通用しないと言うだけの話なのだけれど、これがスポンサー側にとって見ると、いろいろと問題が多い。一番困るのが、BSのインパクトがきちんと測定されていないことにある。
現在の測定方法ではBSはUHFなどと同じ「その他の局」扱いだ。一般にBS自体の視聴率は低いのだろうが、今回のようなケースだと地上波にカネを払う側としては「やってられない」ということになりかねない。
そもそも、オリンピックなどでもその傾向は出ていて、裏でNHK-BSが放送している場合は、地上波が思ったように数字をとれていなかったりする。
現在のペースで地デジ対応がすすんでいくと、来年以降は多チャンネル化が本格化する。地デジというと「アナログ停波」が話題になるけれど、本質的には多チャンネルのインパクトが大きい。人口の減っている国で多チャンネルというのは、どう考えても単価の下落を招く。
それに、NHKの影響は今後強まるだろう。基本的に不況でも急速に総収入が低下するわけではないので制作費を削ることもない。クオリティの差はますます開いていく。
また広告主によっては「NHKの視聴者」というのは、結構大切なお客さんでもある。
来年の7月以降に起きることは、結構想像のつかないことも多そうだ。
めずらしく、政治の話。
鳩山内閣の退陣を「マスメディアの圧力」のように書く雰囲気が、とりわけネットでは強いようだけれど、それに対して疑問を持ったのが今回の分析。
つまり、「首相ってそれほど脆いのか」「メディアはそれ程強いのか」という話である。
結論からいうと、首相というのはそうやすやすと「辞めさせられる」ものではない。今回の交代劇も、参院選の年に見られる党内圧力由来の「表紙替え」の典型ということだ。
佐藤栄作以降の「辞めた理由」をチャート分析したのが、ご覧の図である。まあ、複数の理由が重なることもあるので議論はあるかもしれないが、ほぼこういう感じだと思うよ。
さて、上から見ていくとBの場合だと宮沢は内閣不信任案の可決で、後の2人は政権与党が少数派になったことに伴う辞職。
Cというのは、福田しかない。まあこんなことができたのも、自民党に余裕があったからだろう。
Dというのは、3人とも長期政権である。こうして堂々と退陣できた首相は大変少ない。一方その間に後継者を競わせるので、「三角大福中」「安竹宮」「麻垣康三」などのワードが生まれる。そして、その後の政権は、この有力後継者のたらい回し状態になって、それが尽きた頃に長期政権が生まれる。
このあたりまでは、一応何らかの「ルール」の結果である。
日本的、というか何とも言いがたいのが「自発的辞任」であるけれど。これも幾つかのパターンがある。
家族の知り合いが「突発性難聴」になったと聞いた。50代の女性で、ストレスが原因ではないかという。既に子供が独立して、ご主人は退職しているらしい。それを聞いて思わず
「そりゃ、原因はご主人だろう」と言ってしまった。
これには、理由がある。過去の経験からして「首からの上の不調」というのは、「同じ空間にいる人から受けるストレス」が原因になっていることが多いからだ。ちなみに、その方のご主人がそもそも体調を崩されたことが原因のようだとあとで聞いた。
会社にいて新人研修を担当してた頃、配属された新人がコンディションの不調を訴えてきたことはよくあった。
中に頭痛が治らず、夜中にも激しい痛みを訴えて大学病院に運ばれて、CTスキャンまでとったけれど「異常なし」という新人がいた。
僕は、直感的にストレスだろうと思い、周囲にヒヤリングして出した「治癒法」は席替えだった。これで、どうにかなった。
特に医学的な根拠はなく、まったくの経験則なんだけど「耳鳴り」「頭痛」さらには「眼のチカチカ」あるいは「首が回らない」ような症状は、「同じ職場にいる人によるストレス」をまず疑ってみた。
当人が症状を訴えたら、医学的診断も必要だけれど「もう1つの仮説」として準備しておくのである。最近は、カウンセラーなどの産業医に相談しやすい環境も整ってきたが、やはり人事でなくてはできない「治癒方法」があると思うのだ。