2010年04月アーカイブ
「団菊爺」という言葉がある。「いや先代の団十郎や菊五郎は素晴らしかった」と、歌舞伎の昔語りをして「それに比べりゃ、今の連中は……」と嘆く爺のことである。明治あたりのことばらしいが、たしかにこういうのはどの世界にもいる。
落語で言えば「志ん生や文楽」で、クラシックなら「フルトヴェングラーやトスカニーニ」という感じだろうか。スポーツでもありそうだ。
こういうのって若い世代から見れば「また始まった」みたいなもので、適当にあしらわれつつ、老いていくのみ。せっかくだったら、いま眼の前で繰り広げられいている世界を楽しめばいいのに、と僕なんかは思う。
で、そういうファンの繰り言であればいいんだけど、結構ビジネス界にも「団菊爺」はいるものだ。そして、それは結構困ったことだったりする。
「いや、本当にあの人はサムライだった」
「やっぱクリエイターとしての生き方が違う」
とかいって、よく聞いてみると単に羽目を外した飲んだくれ営業だったり、女性関係にルーズで離婚を繰り返したデザイナーだったりする。単にセクハラ・パワハラ全開の、いわゆる「セパ両リーグ」を渡り歩いた困った人なのに。