会社を辞めて十年経ったが、相変わらずよく聞かれるのは「辞めた理由」だ。最近相次いで、辞めて独立した後輩と会ったこともあり、また同じような話をした。
この、「辞めた理由」」だけど、まあ、複数あってすべてを話しているわけではない。幾つかの“段階”に分けている。
辞めた当初は、当たり障りのない理由を話していたが、最近ではもう少し深いことも話す。つまり、会社を辞めた理由は「タマネギ」のようなものだ。話をしていると、「実はさらにこんなこともあって…」といろいろ出てくる。
一つのきっかけで、ドーン!と勢いづいて辞める人は少数派だろう。心の中に「退社インジケータ」みたいなものがあって、ゼロから100までの間で常に動いている。それが、ジワジワと100に達して決断するような感じだと思う。
まあ、時間も経ったので改めて整理しようかな、と。
理由①入社の時に「38年はあり得ないな」と思った
入社式の後に制度の説明があり「定年まで38年」と言われた。当時22歳の自分としては「そりゃないだろう」という長さで、途中で別のことをしたくなるよなと思ったし、何かしなくてはいけないと思った。考えてみると、ほぼ折り返しの40歳で辞めたわけだった。
理由②スキルが複線化したのでどうにかなるような気がした
広告会社に入社してから、制作・研究開発・ブランドコンサルティング、そして人材開発と社内転職をしてきた。実は、相当若い時から「いま辞めたら食えるか」、つまり自分の市場価値については関心があったので、いつもシミュレーションしていた。それで“潮時”を感じたように思う
理由③新人研修で刺激された
2002年に新人研修を担当して、なんだか「世の中は相当に変わる」気がした。じゃあ、そこからどうして「会社辞める」という結論になったのかというと、突飛かもしれないけど、強い理由であることはたしか。ただし日本の企業社会もメディアも、当時予想したほどには変わってないけど。
そういえば、そのちょっと前に親知らずを抜いたんだけど相当苦労した。その時に「時間が経つほど歯と骨がミッチリと一体化して大変なんですよ」と言われた。そんなこともどこかに引っかかっていた気がする。
というわけでタマネギを三枚ほどむいてみたけれど、まあ、もちろん続きはあるわけで。う~ん…やっぱり書けないかなあ。
というわけで、続きは、もしもお会いする縁があればその時に。