「エンタメ狩り」を止めよう。
(2011年3月21日)

カテゴリ:世の中いろいろ
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コメント(2)

もちろん冷静な意見も多いとはいえ、「自粛」のムードが広がっている。単に「不謹慎」という精神論だけではなく、今回は「電力節減」という物理的な大義名分ができつつあるのでややこしい。
しかし、この節電という名分も怪しいものがある。東京ドームのナイターは6000世帯分の1日分の電力だという。「その程度で済むのか」と思った。
そもそも5万人くらい来るのだから、おそらく万単位の世帯が不在になる時間ができる。一箇所に人が集まる方が効率はいいのではないか?
そう、結局節電も精神論になりつつある。合理的に考えないで象徴的なイベントにしわ寄せがいく。プロ野球も両リーグにコミッショナー、そして選手会がそれなりに考えていたのに、文部科学省や政治家が入ってきてややこしくなった。
とにかく「エンタメ狩り」を止めた方がいい。日本、特に首都圏はサービス業の割合が高いし、エンタテインメント産業にかかわる人も多い。多額の義捐金を寄付できる有名なスポーツ選手やアーチストはごく一部だ。災害時に「不謹慎」で止められてしまうような仕事にかかわる人の裾野はかなり広い。外食だってそうだし、流通も同じだ。
実は「不要不急」の行動が、多くの人の仕事になっているのだ。
「人を楽しませる仕事」を支える無数の人々の仕事を奪ってしまうことは、本末転倒だ。日本では、そうしたエンタテインメントの仕事にかかわる人が増えた。それは日本がずっと平和だったからだ。
こんなことが続いたら、「喜怒哀楽」ではなく、「怒哀」だけの社会になる。それがいかに恐ろしいかは、誰だってわかるはずである。

■将来の電力供給も含めてリポート「震災後の生活と新たな機会」を書いた。こちらからお読みいただけます。



「エンタメ狩り」を止めよう。」への2件のフィードバック

  1. ななし より:

    巨人の観客動員は平均3万くらいです。
    あと試合中に停電になった場合の安全の問題が無視されてます。
    電車の本数も減ってるので、球場だけでなく最寄り駅での安全性も確保する必要があります。

  2. 山本直人 より:

    ありがとうございます。そこまで細かい話が出てきたうえでやらないのであれば、それは納得できるのです。目立つものから、とりあえず止めるというのが変なのでは?と思っているのですが、東京湾の花火も中止のようで。