新刊のお話、その2。
昨週末、新潮新書から「電通とリクルート」が発売された。またネコに持たせてみた。少しは売り子らしくなってくれただろうか。
中身は、2社の戦後史を追いかけ直して私たちの消費生活の「今までとこれから」を考えてみる、というものである。2社のビジネスを分析したり、ましてや内幕を書いてみようという本ではない。
ある意味、メディアや広告業界の外で生活してきた人が「ああ、情報ってこうやって影響を与えていたのか」ということを考えてみてもらえれば、という気持ちで書いた。一方で、「広告ビジネスはこれからどうなるのか」ということについて書いたわけでもない。業界の話ではなく、とある国の人々の30年程の航跡をたどった本だからである。
いわゆる「広告」というものを「発散志向」と「収束志向」という観点で整理をして、それが社会の中でどのような役割を果たして。今後どうなるのだろうか?という視点で考えた。あまり詳しくここで書いても仕方がないのだけれど章タイトルは
「元栓のうまみ、毛細管の凄み」「情報誌を欲したのは誰か」「『感動をありがとう』の正体」といった感じで、とりあえずamazonのリンクはこちら。
なお、この本にはささやかな仕掛けがあって、それは最後の5行でわかるようになっている。できれば後ろから開かないでいただきたい。
昨日読了しました。私も元Rなので、自分のいた意味を再確認する意味でも、あたらしいラベルで仕事のレイヤーを整理しなおす意味でも、自分に「沁みました。」(よかったですなんていうのはニュアンスを出せていない感じなので)
授業で先生に勧められて読み始め、今読了いたしました。「商品」⇒「情報」⇒「価値観」という、人々が広告に求める要素の変遷と、それに対する洞察が、とても興味深いと感じました。しかし、自分の行動を決定する「価値観」までも、どんどん外部委託していく様は、効率化というか先鋭化というか……。そして、先走った意見ですが、さらなるステップとして「考え方」まで外部委託し始めるのではと、恐ろしく思います。昨今のライフハックスの流行を見ると既に始まっているのかも知れません。自分は、そんな人生、まっぴらごめんですが。
就職活動をする学生として、『情報』に振りまわされがちな時期に、とても良い本に出会いました。上手く血肉にして周りに伝えたいと思います。ありがとうございます。
橘様
コメントありがとうございます。今と未来を知るために、あえて「過去」にこだわってみました。「沁みて」いただければ本望です。
コメントありがとうございます。
就職活動のプロセスは「自分自分を知って成長する」過程でもあります。迷ったら自分自身の物語をもう一度見つめ直してください。