だからと言って、そんな話はないだろう。
最近ウェブを見ていると、そういう気持ちになることが多い。何だか、ネットを見ること自体が億劫になる。
理由は単純で、都知事選からオリンピックという流れだよ、多分。「思い入れの強い」人の声ばかりが増幅されているように感じる。その間にあった「別人作曲」の件もそうだ。
たとえば、選挙。都知事選に限らず、最近の選挙の終盤には同じ傾向がある。それは優位とされている人や政党を貶めるような情報がダーッと溢れてくることだ。中には特に信用できるようなものでなかったりするものも多い。
これって結局は昔の「紙爆弾」と同じで、選挙終盤に激戦区で投函される「怪文書」に近い。ネットになっても、程度は同じ。というかこじれちゃった気もする。
いや、支持者の人には思い入れがあるのだろう。でも、風邪と思い入れはこじらせるとタチが悪い。そういうのを読むと、何だかいたたまれなくて、妙な毒に当った気がする。
そしてオリンピック。ネットでいろいろな声はあるけれど、こんなところで「税金」の話が出るんだなあ、と。
だって、「カネかけたのに期待に応えられない/結果を出せない」人を非難したら、日本で教育受けた人の殆どは、ある意味税金泥棒でしょ。
オリンピック選手を「税金泥棒」という人って、どう思ってんだろう。自分自身のために使われた税金に応えるだけのことしてる、という自信はあるのか?
って思ったど、そんなことまで考えていたら、あんな浅い言葉は吐けないよな。
ふと、思ったんだけどテレビの街頭インタビューでそんなこと答えたら、まずオンエアされないだろう。投書欄にも乗らないだろう。そうやって、マスメディアによって「整理」されてしまった意見が、可視化されること自体はいいと思う。
別にいいんだけど、この水準の単なる罵詈雑言は別に見たくないわけで、これもまた“避けたい毒”だ。ただ、ネット上で、特にソーシャルメディア経由では、うっかりするとこの毒にあたってしまう。
見たくないなら、はなから見なけりゃいいんだけど、軽い気持ちで見て嫌な気分になってしまうことも多い。というか、ソーシャルメディアはあらゆる情報が空気のようになっているから、つい吸ってしまうのだろうか。ある種のガスだ。
まあ、屁のような言説、というと身も蓋もないが。
そしてTVを見れば、それはそれでお決まりの騒がしい五輪関連番組。
今年の2月はマスもネットも妙な絶叫に溢れている。
というわけで、録画しておいた「タモリ倶楽部」をゆっくり見るのが、ちょうどいい感じなのだった。少々の毒はあるけれど。