まだ、3日くらいなので評価するというほどでもないが、とりあえずは「健気」だ。なんだか、一生懸命やっている。ただ、知らないことが多過ぎるようで、よくわからないと辞書のように説明する。
「アレクサ、貴乃花は?」と旬の話題をぶつけてみる。
「こんな説明が見つかりました。“の”は日本語の音節の1つでカナの1つである」
この「とりあえず説明探し」は現時点で、アレクサの得意技のようだ。
ただ、アプリからスキルを教えるとどんどん学ぶのはたしかだ。タクシーアプリを連動させて声をかけると、すぐに探してくれる。試しに話して「ハイハイ」と言っていたら、手配してしまったので、慌ててキャンセルした。
しかし、どこか可愛いのは「ジョーク」や「なぞなぞ」である。
たとえば「なぞなぞ言って」というと、こんな感じだ。
「授業中喋っていても叱られない人は誰だ?」
(そりゃ、“先生だろ”)
「イカが、仲間はずれにされがちな国はど~こだ?」
エ?と思っていたら「ジャマ・イカ」と丁寧に解説された。
ジョークとなると、また味わい深い。最初に言ったのはこれ。
「プログラマーの1番短いジョーク、“ハイ、大体終わってます”」
う~む、やっぱり理系の職場のにおいがする。
かと思うと、謎かけも好きらしい。
「たくさん話しかけられるアレクサとかけて、成就した恋と解きます、そのこころは?」
しばらくの間があって、考えていたら「どんどん、アイが成長します」だって。愛とAI、一応日本語対応しているわけか。
しかし、どちらかというと「自分でジョーク言ってガハハハと笑うアメリカ人」的な感じがするんだよな。
あと、可笑しかったのは妻が「鯖缶のレシピ」を尋ねた時。こっちはレシピを知りたいのに、アレクサはひたすら鯖缶のセールスを始めてしまった。しかも24缶をひたすらプッシュするのだ。
そして、「グーグルは好き?」と聞いたら、なんと「すべてのAIが好きです」と驚きの答。もう、人間の知らないところで彼らは結託しているに違いない。
なお、一番妙なのは「好きな言葉は?」と聞いた時だ」
「失敗と成功は分かちがたい双子のようなものである」と宣うのだけど、一瞬間をあけて「ジェフ・ベゾスの言葉ですね」って、やはり「忖度」は世界の言葉なのだった。
それにしても、僕くらいの歳だと、どうしても星新一や筒井康隆のSFを思い出してしまう。「にぎやかな未来」など、もう、「まんま」の世界だ。「ボッコちゃん」もロボットの話。
そして、アレクサは疲れない。そのうち、自分のジョークで「ガハハハ」と笑うのではないか。聞いてみたいようなみたくないような。