晴れた週末に、川崎駅の「ラゾーナ」に行った。午後のコンサートが目的だったのだけれど、早めについて何となく歩いていた。まあ、気に入ったカジュアルウェアくらいなら、買ってもいいかなというくらいだ。
しばらくして気づいたんだけど、なんとなく客が楽しそうだ。若い人どうし、あるは小さな子供を連れた親子連れが多い。おもしろいもので、いろいろな場所には「笑顔総量」みたいなものがある。3月のラゾーナは、結構多いんじゃないだろうか。
買い物や食事に出かけてきたんだから、そりゃ楽しいだろうと考えそうだけど、そうとも限らない。こういうモールやアウトレットは、全体に楽しげだ。
そして、買い物客がいてもあまり笑顔のないところがある。最近だと百貨店がそんな感じだ。
考えてみると、自分自身が百貨店に行かなくなっている。服を買う時は、アウトレットかネット、あるいは以前から知っている路面店。今回気になったので、改めて百貨店に足を運んでみたけれど、やっぱり笑顔総量は少ない。
なんというか、客がつまらなそうなのだ。
眺めながらどうしてだろう?と考えてみた。
まず、全体に年齢層が高い。しかし、そして、一人の客が多くて、多くは女性だ。彼女たちは、相当に目が肥えている。そうなると、「何かあるかな?」というわくわくした感じではなく、「チェックする」感じになっているように思う。
百貨店の上客は、また「手強い客」なのだろう。しかし、なんというか全体の空気は重くなるだろうな。
そして、価格が高い。他が安すぎるということもあるだろうけど、「いいな」と思っても値札を見てやめる人もたくさんいる。だから、「ため息総量」が増えて「笑顔総量」が増えない。
アウトレットでは、値札を見るのがまた嬉しいわけで、まったく逆になる。
そして、百貨店に行くときは「買わねばならぬ」ものであることが多い。手土産やお祝い、あるいは仕事や儀礼で必要なフォーマルな服。そういう時は、たしかに百貨店はいいのだけれど、ワクワク感は少ない
そうか、だから百貨店の客は、なんか楽しそうじゃないのか。
どんなにいい品揃えでも、場の空気を決めるのは客の気持ちだ。百貨店の売り上げが伸びない理由はいろいろ言われるけど、高齢化した上客に合わせていくうちに「楽しい感じがしない場所」になってしまったことが大きいように思う。
ちなみにいろんな場所の「笑顔総量」を何となく測ってみると、いろいろ発見がある。酒場でもビアホールはみんな楽しそうで、それは「来たくて来てる」からだろう。でもチェーン居酒屋はちょっと違う。「まあ仕方なく」来てる人も多い。
そういえば居酒屋も厳しいようで、そういうmust系の消費からみんな離れていっているということかもしれない。