「忘年会ゼロ」の12月は静かでいいよ。
(2016年12月15日)

カテゴリ:世の中いろいろ

12月は嫌いだ。

まず、意味もなく慌ただしい。12月になった途端にソワソワし始める。まだ1ヶ月もある頃から「もう年末はいろいろ大変ですから来年にしましょう」という人もいる。

まあ、「それならいいけど、でも着々と時間は経つんですよ」というのを堪えて、来年の仕事となるわけだ。

そして、忘年会が始まって、街がグチャグチャになる。だから、先週末くらいからは夜の予定がない。そもそも1人で仕事をしてると、忘年会との縁が薄い。たまにあっても面倒だから行かないうちに、最近はまったく行かなくなった。

というか。昔から忘年会は嫌いだ。

じゃあ、ゆっくり舞台とかがいいんだろうけど、オーケストラはやたらと「第九」ばかりになる。あの曲は、たまに聴けばいいので年末には滅多に行かない。落語も最近は「文七元結」や「芝浜」が多くて、あれも噺家が「いい話だろ」とばかりに演じるのが鬱陶しくなって、やっぱりこの時期はいかない。

つまり、クライアントも社内のことで慌ただしく、友人もバタバタして、舞台もいま一つなので、師走は嫌いといいつつ、気が付くと例年静かだ。

今年は、この時期には珍しくトレーニングプログラムの仕事があり、本の校正もあるけれど、世間に比べれば落ち着いてるし、やっぱり忘年会がないのは実はとてもいいなあと実感している。

こんなこと言うと大げさかもしれないけど、忘年会って、結構日本企業の生産性の足を引っ張ってるんじゃないかと本気で思うこともある。

そもそも、年末年始休暇は結構長い。働ける日が少なく、年末進行でただでさえきつい時に、忘年会だ。気の置けない友人とメシに行くのと違って、食べるものも選べず宴会モード。しかも、帰りの電車はいつも以上に混んで、足の覚束ない酔っぱらいもいるから、疲れが倍増する。

寒くなった時に体力を奪われるから風邪をひきやすくなるし、傍から見てると、もう何の苦行なんだろうかという感じがする。

そういうわけで、日中はそれなりに仕事をしつつも静かな師走を過ごしてるんだけど、会社員時代から忘年会は嫌いだった。

どうしていたかと言うと「別のお座敷がある」とか適当なこといって、逃れていた。それで家に帰ったり、地元で1人飲みをしていたのだ。

あの頃、嘘をついてた人、すみません。でも、みんなそんなに楽しみなんだろうか。

ただ本気で思うんだけど、ハッピーマンデーとかで9月が慌ただしくなったのもそうだけど、「働き方改革」って、「みんなで同じ時に、一斉に同じことする」という習慣をやめることだと思うよ。

というわけで、毎年この季節になると「忘年会」が不思議に見えて仕方ないのだ。