最近、首都圏の通勤ラッシュがまた大変なことになっているようだ。
「お客様どうしのトラブル」で、遅延になったというニュースもある。混雑だけが原因じゃないのかもしれないが、SNSの書き込みでも「混み方がひどい」という話を見ることが多い。
日経ビジネスオンラインでも、「本当に緩和されているのか?」という切り口の特集を始めている。
僕は、基本的に通勤をしない生活だ。もちろん、朝早くに仕事に行くことはあるが、会社員時代からずっと始発駅近くに住むことに固執しているので、ある程度はどうにかなる。つまり、混んだ電車が好きではなく、それをある程度避けたとしても、「毎日の通勤」が好きじゃないことが、会社を辞めた理由の一つなのだ。
それでも、最近の電車の混み方はちょっと凄いと思うことがある。大学の講義の後に、渋谷から山手線の外回りに乗ろうとすると、あまりに混んでて2本くらいやり過ごすこともある。朝ではなく、夕方の19時前だ。
そんなわけで山手線をやめて副都心線に乗ることが多いのだが、新宿三丁目で乗り換えると丸の内線が相当すごい。
明らかに、混雑は激しくなっていると思うし、そういう声を聞く。
「無理やりスマートフォンを見ようとする」「リュックが増えたんじゃないか」という話も聞くが、携帯だって見る人は多かったし、マンガ雑誌を強引に広げていた人もいた。
やっぱり、通勤している人の総数が増えたんじゃないだろうか。
と思って、東京との労働力調査を見たら、想像以上に増えていた。(グラフ縦軸の単位は1,000人)
2005年に645万人ほどの就業者は、昨年は740万人だ。10年で15%ほど増加していることになる。金融危機の頃は横ばいだが、その後はさらにグングン伸びている。
これは東京都の数値なのでそれ以外にも、他県からの通勤者がいる。昼間人口のデータも増加しているから、そりゃ「混むのが当然」なのである。
東京には働き口があり、またいろいろな人の社会参加が進んでいる。それはいいことなんだけど、こうなったら「通勤」を就労の前提にするのは限界じゃないだろうか。
在宅勤務などは結構前から言われているが、なかなか進まない。その原因は、僕は結構シンプルだと思っている。
「会社に来ないと落ち着かないオジサン」が、あちらこちら抵抗しているのだ。もちろん、経営層も含めて。
子どもの頃から、「毎朝どこかに通う」のが日本では常識になっている。でも、人間の生活において、それは必須じゃない。
数字を見れば、実感の裏付けになる。通勤ラッシュの緩和は、もう鉄道会社の努力だけじゃどうしようもない所に来ていると思う。