博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が毎年発表する「メディア定点調査」というのがあり、今年は6/10に発表された。携帯からのネット接続がかなり伸びた、などというニュースを聞かれた方も多いかと思う。(スマートフォンは携帯に含まれている)
この調査は、前期の講義の間にちょうど発表されるので、今年も早速紹介した。
東京地区については、性・年齢別のデータも出てくるので大雑把な流れはつかめるのだが、その推移をまとめた一覧はない。だったら講義資料をつくる合間にまとめようかと思い立ち、グラフ化した。
データがいまの形で比較できる2007年からだけれど、やはり時系列で見るといろいろ「なるほどな~」と思うところもある。
まずは、メディア接触時間の「合計」の推移の性年代別だ。(単位は分/左が男性・右が女性/10代は15~19歳)
全体に波はあるけれど、大体こんなことが見えるのではないか。
ちょっとゴチャついているように見えるが、こういう時は「全体の形」を見る。そうすると、ギザギザはありつつも全体的には「何となく横ばい」な感じに見える。
- そもそも、平均メディア接触時間は300分から400分の間におさまっている。今後、これ以上にも、これ以下にもならないのではないか。
- つまり、残りの時間は「別のこと」をしなくちゃならないわけで、そりゃそうだと思う。仕事も遊びもいろいろ忙しい。そうなると「すきま時間」に強いメディアが今後は優位になるように感じる
- つまり、スマホ。あるいは持ち出し可能なサイズのタブレットなどかな。
- セグメントで見ると、2011年に20代男性と60代女性が突出した数字になるのだが、これは段々と落ち着いてくる。
- 一方で昨年からの伸びが著しいのが20代と30代の女性。これは携帯からの伸びが寄与している。
- また、減少傾向にあるのが50代男性と40代女性。実は、携帯からの接触が減少傾向にあるのだ。この理由は個人的には「ピンとくる」ものがない。
- 注意するべきなのは「6年経つとサンプル母体の半分以上が入れ替わっている」ということ。たとえば2007年の20代はまみな昭和生まれもいるけれど、今年の20代は半分が平成生まれ。当然幼少期からのメディア接触も異なる。
で、これは全体の接触時間なので、携帯などメディア別の接触の伸びについては、また明日以降にでも。