就活学生が自信をつける1つの発想。
(2013年5月9日)

カテゴリ:キャリアのことも
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毎年、大学生の就活の相談を受ける。大学の受講生はもちろんだが、いきなりメールして来たり、何かの講演を聞きに来たり、近くのバーで隣にいたり、という感じできっかけはいろいろだ。
今年面倒を見たひとりは、いろいろと迷いが続いていて最終面接の前日にも自宅近くのカフェで会った。十分に採用基準を満たしていると思うが、本人に自信がない。これは、最終のような局面では、大変危ういパターンだった。
さて、自信を持たせるためにはどうするか。僕は、この日初めてある”言いまわし”をして、自信をつけてもらおうと思った。
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「で、最終を前にして自信はあるの?」
「いや…ちょっと…」
「まあ、ここで自信があり過ぎても困るんだけど、あまりに頼りないと内定出しにくいんだよね」
「どうやったら、自信つきますか?」
「じゃあ、君は後輩に自信つけさせたい時どう言う?」
「う~ん、”自分を信じろ”…ですかね…」
「それで、自信つく?」
「…無理ですね…」
「まあ、文字のまま言ってもね。じゃあ、自信過剰な人と自信不足な人に共通点ってあると思う?」
「…エ?…考えてもなかったです」


「結局、両方とも”感謝”が足りないと思うんだよね」
「……」
「自信過剰な人が、感謝不足っていうのは分かるよね?何でも自分だけでできたんだ、みたいな感じ」
「ハイ」
「でも、自信不足の人もそうだと思うんだよ。いまの君がそうなんじゃない?」
「……」
「今まで出会った人、親や兄弟、友達、先生、カノジョ、あるいは好きな作家やアーチスト。そういう人から、直接間接に支えられて今の君がいるわけでしょ?あらためて、感謝してる?」
「イエ…全然考えなかったです」
「つまり今の君は多くの人に支えられて”成り立って”いるわけだよね。だから”自信不足”っていうのは、出会った人たちへの感謝不足なんじゃない?出会ってきた人のこと思い起こせば、自信不足って実は失礼な話に感じない?」
「…そうですよね…そう…思います」
「明日、最終面接の前に、もう一度出会った人に感謝して。それから臨むようにしたら?その人たちが背中についてると思えば、それが傍からは”適度な自信”に見えるんだよ。
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彼は、この最終面接を通過して、内定を得た。第一志望である。先日食事をしたけれど、この時の話はよく覚えていたようだ。
まだ、なかなか自信のつかない人の参考になればと思って書いてみたわけである。