宜野湾市長選挙の結果が報じられていた。こういうニュースを聞いた時には、まず最終得票数を探すのだが、意外と報道のサイトに載るのが遅かったりする。昨日のNHKなど、両者とも1000票で当確を出していて、そのあとはいわゆる「政局分析」になる。
官邸の反応や、今後の政治への影響や夏の参院選がどうしたとかなんだけど、どうして票の分析をしないんだろうか。
これを見ると、今度の選挙が意味することが分かると思うのだ。
宜野湾市の選管が発表した数字を見てみよう。自公の推した候補は4年前と同一の現職候補だ。一方で野党系は候補が変わっているのだが、99票の増加でほぼ横ばいだ。
一方で、与党系の候補は6,000票以上増加している。投票率が、63.9%から68.7%に増加したと報じられたが、投票率の増加分がそっくり与党系に流れているようにみえる。
ただし、これだけではわからないこともある。人口の増減と票の絶対数を見るとどうなるか?
宜野湾市の有権者数は、この4年で2,600人も増加している。新たな有権者、つまり新成人や市外からの転居者の多くに投票したと推測できるのだ。
2014年の知事選においても、現職の非与党系の得票は21,995票。つまり宜野湾市における非与党系の票は22,000弱で固定化している。
一方で前回棄権した人や新有権者が、今回積極的に意思表示をしたのはどういうことか?これは、普天間基地の移転がさらに遅れて、現状が固定化されることへの危機感が高まったということだろう。
票を見るだけで、そうした宜野湾の状況は十分に推察できるのだが、各新聞社のサイトを見るかぎり、そうした報道分析は今朝の時点では見られなかった。
それよりも、「現在の移転には反対」「現在の計画を推進」など、投票前からの社論を繰り返すだけになっている。あとは、先にも書いた「政局分析」だ。
別にむずかしい解析の必要はない。足し算と引き算だけで見えてくるものはいろいろあるのだから、もう少し分析的な記事を見せてもらえれば報道の付加価値もあると思うのだが。