考えてみると、結構いろんな会社に行っているので受付やロビーもさまざまだな、と思う。20年以上前だが、支社勤務の頃は「スリッパ」を出すようなところにも行った。
最近振り返って思うのは、会社の受付やロビーというのは、その会社の体質や置かれた環境を象徴しているように感じるんだよね。
で、ちょっと特徴的なところで3つばかりのタイプを挙げてみようかと思う。
■ 大学病院タイプ
もう、「順番に待ちなさい」という感じで、もちろん大企業に多いし、寡占型の業界に目立つと思う。当然にお役所的だ。
待ち合わせの椅子が、一列でみんな同じ方向に向いている会社もある。まさに、大病院で支払待ちの番号を呼ばれる感じだ。昔、官製通信企業のロビーに「お客様が輻輳している際には~」という掲示があって話題になっていたこともある。「輻輳」とは通信の混雑状況を表すので、普通人には使わないわけで。
そういえばとある企業では並んだ挙句に、持ち込んだパソコンのシリアルナンバーも書かされて、USBなどは「お預かり」だった。ところがこの企業では後に、外国人社員が機密事項を持って消えてしまったという事件で大騒ぎになる。内には甘かったんだなあ
■ 放置タイプ
受付には電話があるだけのシンプルなタイプ。まだ規模の小さい会社などではこちらが主流だが、人がいなくなったところもある。こういう会社は、いま思うと着々と長続きしているところが多い。合理的ということもあるけれど、実は「客の多い会社」というのは、本当にいいのか?という疑問もあったりするのだ。
■ 千客万来タイプ
とにかく、客が多くて待つ。それは「大学病院タイプ」もそうだけど、比較的若くて成長中で、新オフィスでロビーも「ド~ン」と作りました、という会社に行ったこともある。
ただし、経験的にいうと10年後くらいには荒波に巻き込まれていることが多い。
家庭用でも一世を風靡したゲーム会社は、ちょっと不便な場所だったが、詣でるように客が来ていた時期がある。ただし、いまでは再編の波にのまれてしまった。
世界的なエレクトロニクス企業は、10年くらい前は「午後一番は10分待ち以上」だったので、担当は相当気を使っていた。ちなみに、こちらは目下再建途上にある。
他にも、いろいろ思い出すんだけど、今頃どうしてるのかなと思うに、諸行無常という感じになる。
考えてみると「客が来る」ということは、「社員が出かけない」ということでもある。先の「放置タイプ」の企業は、「来てください」というケースが少ないので、受け付けはシンプルになるのだろう。
「比較的若い企業」でかつ「客が多い」というのは、何かのアラームかもしれない。最近もとあるサービス業の本社に行ったら人が多くて驚いた。この企業は営業力が評価されていたので、以前は「自ら出かける」ことが中心だったのに逆になっているんだなあ。
もっといろんな会社に行ってるような人が、「受付占い」とか書いてみてくれないかな。面白いと思うんだけど。