「逃げ切りたいミドル」になりたくないなら、30代が大切。
(2017年6月23日)

カテゴリ:キャリアのことも

50代は社員は使えない。そんな記事がちょっと前に出ていた。

自分も50代で、別に会社員ではないけれど、ちょっと気になる。ただ、この手の記事の背景にはいろんな事情もある。

だって、ハッキリ言って「50代社員が素晴らしい」という時代があったんだろうか?延長されたとはいえ、基本的には60歳が定年で、その数年前に役職定年という会社も多い。役員になるのはごく一部だ。

50代の社員というのは、そもそもそういう立場になる。キャリアを畳む時期なのだ。そして、金融危機を越えたこの数年間の企業業績は全般に良好で、かつ人手不足だ。

そこで、かつてであればリストラされていた50代も、そのまま職場にいたりする。

そういわけで、そんな50代を責めなくてもいいじゃないか、と言ってみたいけれど、とはいえ50代にも問題はある。

それは、50代というか40代後半くらいからジワジワと「逃げ切り願望」が生まれてくることじゃないだろうか。

僕が30代後半の頃に、同僚と話していたことを思い出す。10年以上も年上の先輩のことを「彼は逃げ切ろうとしている」と言ったら、同年代の周囲が「そうそうそう!」と言っていた。

新しいことに挑戦したり、リスクをとることなく、逃げ切りたい。50代後半ならともかく、40代後半でそうなるのか?というと、これが結構なるのだ。多くの会社員にとっては、そのくらいの年齢で「先の見当」がつくのである。

そういう人が組織の中にいて、何らかの権限を持っていると、いろんなことが停滞する。

じゃあ、逃げ切ろうとせずにもっと頑張ればいいんじゃないか。再起動だ、再点火だ。たしかに、僕も30代の頃はそう思っていた。でも、自分がいま会社にいたら「逃げ切りたい」と思っている可能性は結構高い。

フリーランスはそんなこと言ってられない、というか考えた途端に終わってしまうので、思わないだけだ。

じゃあ、どうすればいいのか?実際にそういう歳になってからでは、もう遅いと思う。

まだまだ若いと思っている、30代後半くらいからジワジワと準備をしていくしかないだろう。

僕は30代の頃に「いつまで会社勤めをしようか。いや、勤め続けるならどこまで目指すか。そもそもこれから何をしたいのか」をやたらと考えていた。考えるためには勉強しなくてはいけないし、その習慣があるから今でもどうにか一人で仕事をしている。

つまり、30代の頃に「一人でひたすら考える」ことが大切なんじゃないかと。

僕は今でも一人旅をする。旅が無理なら、日帰りで足を延ばしてもいいし、環境を変えて本を読む。

その時に、「何かを突き付けられる」ようなものを読むといいんじゃないか。たとえば、ヘミングウェイの短篇集。読みにくいわけでもないのに、なぜかゆっくりとしか進めない。

常に、何かを問われているような、「生き方を問われる」と書くと少々安易だけど、そんな不思議な感覚になる。

こういう本を持って、一人で出かけてみる。キャリアを考えるのには、こうした遠回りのような行動が大切じゃないかと思うんだ。